パーソルダイバースの現場コンサルタントによるコラム。今回は、全国の拠点で障害者雇用を行っている企業様の、定着サポートに関するご支援事例をご紹介します。

障害のある社員へのフォローアップを見直したい

今回は、全国に拠点があるF社からご相談いただいた定着支援に関する事例です。

F社は全国の拠点で障害者を雇用しているため、就業場所だけではなく、雇用するポジションや業務内容も多岐にわたります。
さらに管理者の異動が多いとのことで、多様なバックグラウンドを持つ障害のある社員に対して「適切なフォローアップが行えているのか?」との不安から、弊社にご相談いただきました。

障害者雇用では、雇用拡大とともに定着支援も重要です。
障害のある社員の長期就労を実現するために、適切なフォローアップについて検討される企業は、少なくありません。

フォローアップに関する現状の不安をヒアリング

まずは現状把握のため、障害のある社員へのフォローアップについて、不安を覚えた背景をヒアリングしました。
主な不安要素として挙げられたのが次の4点です。

  1. 管理者の異動が多い事業環境
  2. 拠点によって定着率に差がある
  3. 人事部門へのエスカレーションの質やタイミングにばらつきがある
  4. 均質的な合理的配慮が行えているかが不透明

F社に限らず、「離れた拠点での採用が多い」「管理者の異動が頻繁にある」といった特徴のある企業では、次のような課題が発生しやすくなります。

  • 障害のある社員に対する雇用後のサポートの質がまちまちになる
  • 異動によって交代される管理者間をはじめ、人事部門との情報連携が希薄になりやすい など

その結果、必要な合理的配慮が忘れられてしまうこともあり得るのです。
また、異動に伴う管理者間での情報共有が不十分な場合、障害のある社員はその都度自身の障害特性や状況について説明しなければならず、ご本人と企業の信頼関係が損なわれてしまうことにもつながります。

F社の環境・状況から、フォローアップ体制に課題があることがわかってきました。

内部のフォローアップ体制構築と、外部の定着面談サービスの活用

今回、F社の環境・状況を踏まえてご提案したのが、内部での「定着フォローアップ体制の構築」と、外部相談機関の「定着面談サービスの活用」です。

内部での定着フォローアップ体制の構築では、下記内容のコンサルティングを実施し、全社として均質な状況把握と、管理者変更時の円滑な引き継ぎが行える体制を整備しました。

<コンサルティング内容>

  • 本社・本部側が主導して、各拠点の管理者と障害のある社員との定期面談を設定
  • 外部パーソルダイバース相談員との面談頻度も設定
  • 本社・本部側、パーソルダイバースからのヒアリング項目を策定
  • ヒアリング内容を踏まえ、人事部門へエスカレーションする基準を設定
  • 記録の管理方法、閲覧権限を設定

外部の「定着面談サービス」の活用とは、パーソルダイバースが外部相談機関として支援を行う、定着面談サービスのことです。
内部の定着フォローアップ体制からフィードバックされる内容を踏まえて、面談を希望する全国各地の障害のある社員を対象に、オンラインを活用した定着面談を実施。定着面談は事前に回数を定め、定期的に行いました。

なお、定着面談では障害のある社員の方に対して、「外部の相談員なので安心して相談が可能」であることをお伝えし、「相談を聞くだけでなく、活躍に向けたアドバイス」をしています。

一方、企業側の担当者には、弊社のこれまでのノウハウから「トラブルになる前の段階」で企業側ができるサポートの情報提供を行いました。

定着フォローアップ体制の構築により、拠点間の定着率の差が縮小

F社では定着フォローアップ体制を構築することで、管理者の異動があっても障害の特性や配慮のポイントをスムーズに把握できるようになりました。人事部門とのコミュニケーションにおける情報粒度も揃ったことで、ご本人からの困りごとに対して予防的な対応も可能に。その結果、拠点間の定着率の差が縮小しています。

また、内部の定着フォローアップにおける記録表の統一によって、自社で課題になりやすいポイントや好事例の集約につながったことも成果の一つです。自社でのノウハウを蓄積していくことで、障害者雇用促進に向けた施策の検討もしやすくなったと実感されています。

障害のある社員の方においては、面談の枠をうまく活用し、ご自身の体調管理や関わる業務職域の拡大などに、前向きに取り組んで頂けるようになりました。

企業の状況に合わせて、定着支援体制の構築や面談を徹底サポート

障害者雇用におけるサポート体制に課題を感じていませんか?
障害のある社員に安定したパフォーマンスを発揮していただくためにも、日々変わっていく会社の環境に合わせて、全社で取り組んでいく姿勢や体制が重要です。 

自社で障害者雇用を行っている、また多くの企業様のご支援をしているパーソルダイバースだからこそ、ノウハウをもとに定着支援体制の構築や面談のお手伝いが可能です。せびお気軽にご相談ください。

障害者雇用に関する法人向けサービスのご紹介です。
障害者雇用を取り巻く環境変化を常に把握し「持続可能な雇用」に向けて、貴社の雇用経験やニーズ、抱える雇用課題に合わせたサポートをご提供いたします。
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