障害のある社員が自らキャリアプランを描き、
活躍できる職場環境へ

CASE
06
三菱HCキャピタル株式会社

※パーソルチャレンジ株式会社は、2023年4月1日付でパーソルサンクス株式会社と統合のうえ、「パーソルダイバース株式会社」となりました。

人事部内に集合配置部署を設立し、障害者雇用を推進する「三菱HCキャピタル株式会社」。これまでどのような課題に対峙してきたのでしょうか。障害者雇用における課題や気づき、パーソルダイバースの支援、これからの展望などについて語っていただきました。
※三菱HCキャピタル株式会社では「障がい者」表記を採用されています。ご承知おきください。

ノウハウの蓄積と採用強化を目的に、
「集合配置部署」を設立

はじめに御社の障害者雇用の状況についてお聞かせください。

木下様:2022年9月1日現在、全社で64名の障害のある社員が活躍しています。
身体障害者が重度15名を含む23名、知的障害者が5名、精神・発達障害者が36名です。
その半数は営業部や支店などの部支店配属で、残り半数は人事部内に設立した集合配置部署「ビジネスサポートグループ」に所属しています。実雇用率は、2.45%です。
ビジネスサポートグループでは、紙の契約書のPDF化をはじめ、社員の名刺作成、リース物件関連のシール印刷、リース期間終了前に送付する文書の封入封かん・投函などの業務を担当しています。

三菱HCキャピタル株式会社
人事本部 人事部 ビジネスサポートグループ 次長
木下文彦様

パーソルダイバースにお声がけいただいた背景とは?

木下様:以前は新卒採用担当者が障害者雇用担当も兼務し、部支店配属での採用を行っていました。
しかし、部支店配属を前提とした採用では障害者雇用のノウハウが蓄積されにくく、現場での労務管理の難しさが課題となりました。
試行錯誤を重ねながら自社で障害者雇用を進めてきましたが、自分たちだけでは障害者雇用における実情を知るのは困難に感じていました。

2018年4月に法定雇用率の引き上げと、法定雇用率の算定基礎に精神障害者が追加されることにより、従来の身体障害者に加え、知的障害者や精神・発達障害者の採用強化が必須になりました。
これらを背景に、障害者雇用専任の担当者を立てること、集合配置部署を設立することが検討され2017年10月にビジネスサポートグループが設置されました。
パーソルダイバースを選んだ理由は、業務の切り出しや定着支援において実践的なノウハウに定評があったからです。

パーソルダイバースのノウハウを基礎に、
障害者雇用への理解を促進

具体的なパーソルダイバースの支援内容をお聞かせください。

木下様:集合配置部署の設立から、採用、定着、研修、人事制度のコンサルティングまでワンストップの支援を受けています。
ビジネスサポートグループの立ち上げでは、業務設計に関する各種タスクの洗い出しから着手しました。
「当社の業務調査」「障害のある社員が行う業務内容の選定」「採用に向けた人材要件の確定」などの膨大なタスクを成し遂げられたのは、パーソルダイバースの的確なアドバイスがあったからだと思います。
障害者雇用の先進企業から、多彩な企業事例や経験を基にした具体的なアドバイスをいただけるので、大変心強いです。

特に印象に残っている支援とは?

木下様:私が前任者から現職を引き継いだのが、2020年4月のことです。立ち上げ当時の資料に残されたメモなどを見ると、相当悩みながら障害者雇用に取り組んできたことが読み取れます。
私も障害者雇用に関しては何もわからない状態で着任した経緯があり、パーソルダイバースの担当者には障害者雇用のイロハを教えていただきました。
特に印象に残っているのが、ビジネスサポートグループの設立から約2年半の間、パーソルダイバースの支援スタッフが1名常駐してくれていたことです。支援スタッフをお手本に、現場での対応を実際に見て学ばせてもらえたことは、非常に有意義でした。パーソルダイバースのノウハウが当社の基礎となり、新たなノウハウが社内に蓄積されています。

また、パーソルダイバースには、障害者雇用の初心者に対して「虎の巻」ともいえる資料が充実していることにも驚きました。当社では障害のある社員に業務指示を行う健常者社員を管理者と呼びますが、現在6名いる管理者を対象とした研修支援も、パーソルダイバースにお願いしています。

「振り返りミーティング」をきっかけに、
社員同士で教え合う組織風土を醸成

パーソルダイバースからの提案であった「振り返りミーティング」が特にマッチしたとのことですが、どのような点をご評価いただいておりますでしょうか?

木下様:「振り返りミーティング」は、ミスやヒヤリハットの原因を、個人の障害特性にのみ求めるのではなく、これを共有することによって社員同士で対応策を検討できるのがメリットです。
精神・発達障害のある社員は、これまでの社会人経験の中で、自身の障害特性に起因するミスを厳しく叱責された経験を持つ人が多く、ともするとミスを隠そうとしてしまう事もあります。
「振り返りミーティング」では、月に1回それぞれが日報を振り返り、共有事項を付箋に書き出します。大切なのは、個人のミスを責めるのではなく、「ミスの原因はどこにあるのか」「ミスを防げる仕組みがあるはず」というように追求していくことです。

リカバリーできる仕組みを管理者が考えるのではなく、障害のある社員本人たちで考え、発言することが重要です。
組織としてミスを減らして業務品質を高めるとともに、より主体的に業務に取り組むモチベーションを育む優れた取り組みだと実感しています。このような取り組みを通して、障害のある社員がビジネスサポートグループを自分の居場所として認識し、社員同士で教え合う組織風土が醸成されています。

職位レベルに応じた教育研修の充実を図り、
社員の成長を後押しする

三菱HCキャピタル株式会社での業務の様子

教育研修体制についても注力されていますが、どのようなスタンス・姿勢で取り組まれているのでしょうか?

木下様:当社は、障害のある社員も戦力と考えています。
ビジネスサポートグループでは、日常の業務は障害のある社員のみで運用できるよう、リーダーとなる人材の育成に注力しています。そのために、教育研修体制の整備が危急の課題です。職位レベルに応じた教育研修の実施により、社員の成長を促進していきます。

当社には、はたらく意欲が高く、自身の能力を高めようとする社員は多いのですが、「キャリアプラン」までは描けていない人がほとんどです。キャリアパスは企業からも提示できますが、広義での「キャリアプラン」を自分で描くことができるようになるには、マインドセットの研修が重要だと感じています。
教育研修では社員同士が刺激し合い、さまざまな考え方に気づいてほしいとの思いから、対面での集合研修にこだわっています。一人ひとりの特化した部分を引き出す取り組みとなるよう、はじめに研修の目的をしっかり伝えるのもポイントです。

御社では障害のある社員を正社員として登用し、個々の特性を生かした成長を支援しています。具体的にどのようなキャリアパスを提案されているのでしょうか?

木下様:雇用して1年間は契約社員ですが、2年目からは本人の希望を確認し、正社員として登用します。ビジネスサポートグループでは、マネージャーやリーダーとして上級の職位を目指すことが全てではなく、本人が自身の障害特性を考慮しつつ、「スキャニングなら誰にも負けない」「名刺をつくるなら私に聞いて」というように、自分の得意分野でスペシャリストを目指すことも視野に入れて欲しいと考えています。

スキルチェック表も自己申告制です。その上で相手の社員の理解度に合わせて教えられるスキルを「エキスパート」として認定する制度の準備をすすめています。現行の枠組みでは給与には直接的に結びつかないですが、自分の存在意義や評価を認識することで「必要とされている実感」を得て、「この会社ではたらいていきたい」と思ってもらえるのではないか、と考えています。一人ひとりがキャリアプランを描き、活躍できる職場環境の実現を目指しています。

雇用拡大には「職域の拡大」「管理者の養成」「社内理解のさらなる促進」が不可欠

御社の今後の障害者雇用に関する展望を教えてください。

木下様:今後の展望として一番に挙げるのは、職域の拡大です。
職域の拡大には、担当業務の拡大と、首都圏以外の地域での雇用の拡大が欠かせません。
同時に、これを下支えする管理者の養成や、社内理解のさらなる促進も不可欠だと認識しています。

当社では、ダイバーシティ推進を重要な経営戦略の一環として位置づけています。
多様性を受容し、相互に尊重するダイバーシティの理念に基づき、今後も障害のある社員が活躍できるステージを用意することで、新しい価値を創造できる活力ある組織の実現に貢献していきたい。ビジネスサポートグループでは、様々な場面や分野で主体的に働ける人材の養成を目指しています。それができてこそ、真の意味でダイバーシティの実現に近づくでしょう。

今後、パーソルダイバースに期待することはありますか?

木下様:障害者雇用の最前線に立つ者として現実の問題にどのように対応していくか、「安心安全の場」をいかにしてつくり上げていくか、判断に迷うことも少なくありません。
障害者雇用に関しては、インターネットにあふれた情報だけでは、わからないことや確信の持てない部分が多いです。
パーソルダイバースの支援を通して、「悩んでいるのは自社だけではない」と感じられるだけでも、心の安定剤になっています。

また、DXの進展などによって障害者の雇用環境も大きく変わると予想されます。パーソルダイバースには、自社での経験や豊富なコンサルティングの知見を基にした実践的かつ、雇用環境の変化に対応した先進的なアドバイスを、今後も期待しています。

三菱HCキャピタル株式会社

2021年4月に三菱UFJリースと日立キャピタルの合併により誕生。各種物件のリース、各種物件の割賦販売、各種ファイナンス業務等、幅広いサービスとソリューションを展開。アセットの潜在力を最大限に引き出し社会価値を創出することで、持続可能で豊かな未来に貢献します。

※ご担当者様の所属・役職ほか記事の内容は取材当時のものです。