「雇用創出」と「支援体制の確立」の両輪により、
多様な人材が活躍する環境を創り出す

CASE
08
富士通株式会社

富士通株式会社 Employee Success本部
 人材採用センター
障害者活躍推進プロジェクト事務局
穂刈顕一様、片庭奈津子様

  • 人材紹介

富士通株式会社では、DE&I推進や制度設計、採用などを担う複数の人事部門メンバーからなる「障害者活躍推進プロジェクト」を立ち上げ、多様な人材がそれぞれの能力を発揮して活躍できる環境の実現を目指しています。視覚障害がありキャリア採用で入社された穂刈様は、障害者雇用の実現には「雇用創出」と「支援体制の確立」の両輪が欠かせないと言います。穂刈様と同じく人材採用センターに所属し、プロジェクト事務局でもある片庭様のお二人に、プロジェクトが立ち上がった経緯や目指す姿、パーソルダイバースの支援などについて語っていただきました。
※富士通株式会社では「障がい者」表記を採用されています。ご承知おきください。

新卒からキャリア採用まで、障害者雇用の拡大を見据えてご支援がスタート

はじめに御社の障害者雇用の状況についてお聞かせください。

穂刈様:富士通株式会社(以下、富士通)とグループ適用している計7社におきましては、2023年3月末時点で427名の障害のある社員が活躍しております。障害者雇用率は2023年6月末時点で2.35%となっています。
富士通グループは「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」をパーパスとしていますが、そのためには「多様な人材が活躍できる状態」にすることが重要です。富士通では障害者雇用のコンセプトとして「配慮はするが遠慮はしない」とし、自分らしさを発揮してチャレンジし続けることを重視しています。「チーム力」「多様性と多様な価値観の尊重」「自律的に学び成長する」という3つのチャレンジ要素を大切にできる人が求める人材像です。

富士通株式会社
Employee Success本部 人材採用センター
障害者活躍推進プロジェクト 事務局
穂刈顕一様

パーソルダイバースによるご支援がスタートした経緯をお聞かせください。

片庭様:以前よりお付き合いはありましたが、dodaチャレンジを通じた穂刈の入社をきっかけに改めてご相談をしました。穂刈が入社する以前から新卒採用を中心に障害者雇用には取り組んではいたものの、充分には注力できていない状況もあり、キャリア採用などさらなる雇用拡大に課題を感じていました。

富士通株式会社
Employee Success本部 人材採用センター
マネージャー
障害者活躍推進プロジェクト 事務局
片庭奈津子様

穂刈様:私が富士通に入社したのは、2020年4月です。視覚障害があり、dodaチャレンジ経由でキャリア採用されました。入社後は人材採用センターで、これまでの採用業務の経験と専門性を活かしながら業務に携わってきました。その中で、障害者の採用にさらに力を入れる必要性を感じて当時の所属長に相談したところ、相談先として候補に挙がったのが、私の入社のきっかけにもなったパーソルダイバース(旧社名パーソルチャレンジ)でした。パーソルダイバースの営業担当に親しくしている方がいたこともあり、さまざまなご縁がつながって2021年5月から改めてお付き合いが始まりました。

母集団形成を目的とした新卒学生向けの採用イベントを企画

御社でのパーソルダイバースによる支援内容をお聞かせください。

穂刈様:富士通グループ会社のキャリア採用をはじめ、新卒での障害者採用のためのイベント運営と母集団形成を支援していただきました。中でも印象に残っているのは、パーソルダイバースの担当者と一緒につくり上げた新卒学生向けの採用イベントです。イベント内容は、「パーソルダイバースによる就職活動に関する講座」「富士通グループ会社5社の説明会」「先輩社員との座談会」の3部構成としました。先輩社員との座談会では、「なんでもお悩み相談室」と題した交流の場を作りました。先輩社員との対話を通じて各社の特徴や魅力を訴求できたと感じています。

イベントの企画や運営はどのように進められたのでしょうか?

穂刈様: パーソルダイバースから企画の提案を受け、一緒に試行錯誤しながら内容を詰めていきました。提案内容としては当社の課題を捉えたものが多く、担当の方の「富士通グループの障害者採用を推進するためにどうすればよいか」という強い熱意を感じました。しっかりと向き合ってくださる姿勢が大変心強かったです。また、イベント終了後には毎回フィードバックをいただき、当社のノウハウの蓄積にもつながりました。

イベントの参加者からはどのような反応がありましたか?

穂刈様:少人数の話しやすい環境をセッティングすることで、参加者からは本音ベースの率直な質問や相談が寄せられました。参加者の中には就職意向がかたまっていない学生も多く、イベントに参加したことで意向醸成や職業選択の参考になったようです。参加者の反応を踏まえると、今回のイベント内容とアプローチは高い満足度を得られるものだったと思いました。学生に対して「障害がありながら社会へ貢献することの意味」を伝えながら、「富士通のことを知ってもらう」という目的は達成できたと感じています。一方で、母集団形成という部分に関してはまだまだ課題も残っているため、試行錯誤しながら検討を続けていきたいと考えています。

イベントで得た知見をもとに、
「一人ひとりに寄り添う」内定者フォローを実施

一緒に成長できる方を採用するために対話の場を設け、一方的な説明会としないところに御社の障害者採用に対する姿勢が現れていると感じました。取り組みによる具体的な成果を実感されることはありますか?

穂刈様:2023年度の障害者採用においては、新卒採用にて多くの方に内定承諾を頂けている状況です。新卒の学生において内定承諾期限は2~3週間に設定されるのが一般的です。学生はその間に最終的に就職する企業を決めるために、数あるイベントに参加して自ら情報を集め、企業を選択しなければなりません。そのような状況を鑑みて、富士通では新卒学生へ寄り添った内定者フォローを実施しています。

内定者フォローのポイントは、どのような点ですか?

穂刈様:内定者フォローとして特に重視したのは、内定者と定期的に接点を持ち、一人ひとりに寄り添った情報提供をすることです。内定を出した後に、毎週約30分の個別面談を実施しました。面談では、富士通グループではどんなことができるのか情報を提供したり、キャリアについての相談に乗ったり、時には雑談をして信頼関係を構築しました。面談を繰り返すことで不安感を解消し、納得感を積み重ねていきました。

「一人ひとりに寄り添う」という姿勢は、パーソルダイバースの担当者から気づかせてもらったことの一つです。対応時間はかかりますが、一人ひとりにしっかりと寄り添うことで、富士通の障害者雇用にかける思いや姿勢を感じてもらえていると実感しています。採用断面において、障害者雇用の可能性の広がりを見いだせた瞬間でもあります。新卒採用イベント開催での経験やノウハウは、その後のフォローアップにも活かされています。

「障害者活躍推進プロジェクト」を立ち上げ、多様な人材が活躍できる富士通グループの実現へ

現在はどのような課題をお持ちでしょうか?

穂刈様:パーソルダイバースの障害者採用支援をきっかけに、多様な人材が活躍できる状態を目指していく上でのさらなる課題がわかって来ました。それは、「採用」にとどまらず、ジョブマッチングや職場の風土醸成、障害特性にあわせた支援体制の構築などです。

大きい組織になるほど、各部門それぞれの状況や課題が見えにくくなります。

私自身、障害者採用の業務をきっかけに、富士通グループ全体ではどのような課題があるかを考えるようになり、採用面の充実だけでは不十分だと実感しました。「雇用創出」と「支援体制の確立」の両輪をうまくまわすことの必要性を強く感じています。ここで言う「支援」とは、現場における業務上の支援、職場への定着支援など、情報保障も含んだ入社後の支援全般です。

具体的にわかってきた課題はどのようなものがありますか?

穂刈様:障害のある社員に対する支援という面では、採用・配属におけるジョブマッチング、実際にはたらく職場での支援、ダイバーシティの尊重と合理的な配慮、さらにその後活躍していくための教育とキャリア形成のサポートなど、さまざまな課題が見えてきました。
それぞれの課題に対して、障害のある社員が配属される部門ごとに応急措置的に取り組むのではなく、より充実した支援が実現できるように部門を超えた横ぐしでの連携ができる方法を探しているところです。
そのような中、部門を超えて様々な課題に取り組んでいくために立ち上げたのが「障害者活躍推進プロジェクト」です。

「障害者活躍推進プロジェクト」とはどのような内容なのでしょうか?

穂刈様: 「障害者活躍推進プロジェクト」は今まで以上に、障害のある社員が、様々な部署で活躍できる環境を目指すプロジェクトです。複数の人事部門の経験やノウハウを融合して課題解決に取り組んでいます。目指す姿は、多くの職場で障害のある社員が活躍できる状態です。法定雇用率の達成にとどまらず、入社後も積極的なコミュニケーションを取り、一人ひとりが個々の能力を発揮して、それぞれの職務領域で自分らしく活躍できる環境を目指しています。

片庭様:プロジェクトの中心になっているのは人事部門です。人事部門の中には、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進する部門をはじめ、さまざまな制度設計を行う部門、人員計画、職域開拓、従業員の配置・配属、配属後の部門の支援やキャリア支援など多様な部門があり、それぞれの主たる目的とミッションを持っています。その中で、これまでうまく連携できていなかった部分や新たに見えてきた課題に対処するために、関係部門が集まって議論を深め、目指す姿を形にするために取り組んでいます。

御社の今後の障害者雇用に関する展望をお聞かせください。

穂刈様:富士通のパーパスを実現するためにはDE&Iが欠かせません。加えて、富士通の障害者雇用のコンセプトを実現するためにも「障害者活躍推進プロジェクト」が大きな役割を果たします。

片庭様:富士通の風土もどんどん変革しています。新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、全社で柔軟な働き方が定着し、それと共に自律的な学びやキャリア形成が重要視されるようになりました。このような中、障害に対して必要とされる配慮や支援も変化していると考えます。しかしそれは、一概に支援の負荷が上がるということではなく、入社後の経験や時間経過も含め、どのようなフォローが必要なのかを改めて議論するべきタイミングにもなっています。ご本人のみならず、職場の皆さんの声も聴きながら、考えていきたいと考えています。

最後に、パーソルダイバースに今後期待することはありますか?

穂刈様:新卒採用だけでなく、私のようなキャリア採用を推進していく必要があります。新卒採用イベントでの企画・運営・振り返りのように、その時々の課題感を共有しながら、障害者雇用と職場定着の支援をパーソルダイバースと一緒に進めていきたいです。

富士通株式会社

「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスのもと、世界50以上の国と地域にて幅広い領域のプロダクト、サービス、ソリューションを展開。デジタルテクノロジーによる価値をお客様や社会に長期で安定して提供し続けることで、人々のウェルビーイングとグリーンな世界の実現に貢献していきます。

※ご担当者様の所属・役職ほか記事の内容は取材当時のものです。