With/Afterコロナ時代の障害者雇用、テレワーク・在宅勤務による「はたらき方の柔軟性への対応」が課題。パーソルチャレンジ調査結果

パーソルチャレンジは2020年6月から7月にかけて、障害者雇用に取り組み企業と障害者に対し、新型コロナウイルスによる影響について調査しました。

コロナ禍でも約6割の企業は採用活動を継続。4割は今後「採用の見直し必要」

新型コロナウイルスによる障害者の採用計画への影響を聞いたところ、6割近くの企業(57.9%)は採用を継続していることが分かりました。2021年3月末までの法定雇用引き上げを前に、障害者採用は止めることなく進める企業の様子がうかがえます。
今後の採用活動については「見直しが必要」と答えた企業は40.4%に上っています。具体的な内容として、「オンライン活用」(22.8%)、「採用イベント実施・参加の見直し、取りやめ」(7.3%)、「採用プロセス短縮、簡素化」(5.9%)などが上げられ、人材要件や募集要項の見直し・変更は「職務能力、専門知識、経験の有無、内容」(7.0%)、「勤務場所、勤務時間」(5.0%)、「募集職種」(4.2%)が上げられました。
新型コロナウイルスによってはたらき方が変化し、今後も不確実性の高い状況が続くと思われる中、採用手法の効率化による活動継続や、採用要件の在り方を見直す動きが見られます。

【採用計画への影響】

【今後の採用について】

【見直しの具体的な内容】

採用手法の見直しや変更の内容
(複数選択 n=147 ※採用手法の見直し・変更がある企業)
比率
採用イベントのオンライン活用 22.8%
採用イベントの実施・参加見直し、取りやめ 7.3%
採用プロセスの短縮、簡素化 5.9%
採用チャネルの変更 4.5%
その他 0.8%
人材要件、募集要項の見直しや変更の内容
(複数選択 n=147 ※採用手法の見直し・変更がある企業)
比率
職務能力、専門知識、経験の有無、内容 7.0%
勤務場所、勤務時間 (在宅勤務、時短勤務、勤務日数の短縮等) 5.0%
募集職種 4.2%
障害種別、障害特性 3.3%
働く姿勢や志向、モチベーション 2.5%
募集人数 2.2%
入社時期 1.9%
雇用形態(正社員・契約社員・アルバイト等) 0.8%
給与 0.2%
その他 0.2%

コロナ禍で実施した雇用措置、最多は「在宅勤務」。半数以上の障害者が在宅勤務で就業

コロナ禍で障害のある社員に実施した雇用施策の変更や特別措置を聞いたところ、「テレワークを導入し、在宅勤務とした」と答えた企業が最も多く(27.3%)、次いで「時差出勤や時短勤務を導入した」(26.4%)が続いています。また「有給の自宅待機をさせた」と答えた企業もあり(18.5%)、従事する業務の性質を鑑みながら対策を行った様子がうかがえます。
就業中の障害者に対する調査でも、「完全在宅勤務」と「在宅勤務とオフィス勤務の併用」が51.6%となっており、半数以上が在宅勤務で就業していたことが分かっています。

【企業が障害のある社員に実施した雇用施策の変更や特別措置】

障害のある社員への対策の具体的な内容
(単一選択 n=135 ※障害のある社員への対策を実施した企業 上位6位)
比率
テレワークを導入し、在宅勤務とした。 27.3%
時差出勤や時短勤務を導入した。 26.4%
有給の自宅待機をさせた。 18.5%
部門や社員の交代出社制を導入した。 14.0%
在宅勤務に必要なソフトウェアや通信環境の導入、通信費の補助等を行った。 6.4%
雇用管理やマネジメント方法の見直し・変更を行った。 6.1%

【障害者のコロナ禍の就業形態】

テレワーク・在宅勤務導入について
(単一選択 n=531 ※就業中の方)
比率
テレワークが導入・適用されたが、在宅勤務とオフィス勤務の併用となった。 40.9%
テレワークが導入されたが、自分は在宅勤務の対象にはならなかった。 15.6%
自宅待機になった。(自宅で仕事以外の作業を行っていた) 12.6%
テレワークが導入・適用され、完全在宅勤務となった。 10.7%
新型コロナウイルスが発生する前から、テレワークが導入されていた。 3.4%
その他 16.8%

With/Afterコロナ時代の障害者雇用、課題は「労務管理」「業務」「就業場所」。障害者の理想のはたらき方は「在宅勤務」、はたらく場所の柔軟性、選択肢があること

今後も不確実性の高い状況が続くと思われる中、障害者雇用施策の見直しや再精査の課題について聞いたところ、「労務管理」(48.1%)、「業務の課題(業務創出や、就業環境が用意できない等の対策)」 (39.7%)、「部署やチーム内の社員同士の人間関係、コミュニケーション」(35.7%)、「就業場所(在宅勤務への移行・継続等)」(34.9%)が上げられました。

一方、障害者に対して、これからの理想のはたらき方を聞いたところ「在宅勤務ではたらけること」を上げた人が半数に上っています(50.1%)。また、「自宅から近いオフィスや事業所ではたらきたい」(16.6%)、「今まで就業していたオフィスに出社してはたらきたい」(8.9%)など、はたらく場所を選びたい障害者も見られます。新型コロナによってテレワーク・在宅勤務の導入で、今後は企業と障害者、共に、“はたらき方、職場環境の選択肢や柔軟性”が重要な項目になると思われます。

【今後、見直しや再精査が必要と考える雇用課題(企業担当者への調査結果)】

今後、見直しや再精査が必要と考える雇用課題
(※複数選択 n=355)
比率
労務管理の課題 48.1%
業務の課題(業務創出や、就業環境が用意できない等の対策) 39.7%
部署やチーム内の社員同士の人間関係、コミュニケーション 35.7%
就業場所の課題(在宅勤務への移行・継続等) 34.9%
業務マネジメント上の課題(業務指示や進捗確認のコミュニケーション) 28.1%
障害のある社員の就業意欲・モチベーション 28.1%
通信環境整備(ICT環境やハードウェア機器、手当などの整備・提供) 24.5%
オフィス、ファシリティ面の環境整備 16.9%
教育、研修等の機会提供 16.9%
特にない(課題はあるが、新型コロナウイルスによるものとは言えない) 14.3%
離職、休職への対応 10.7%
評価や制度面の課題(人事制度の見直し、目標設定の立て方など) 10.1%
わからない、答えらえない 3.3%
その他 1.9%

【これからの理想のはたらき方(障害者への調査結果)】

これからの理想のはたらき方
(※単一選択 n=763)
比率
在宅勤務ではたらきたい 15.1%
在宅勤務とオフィスへの出社の両方ではたらきたい 35.0%
自宅からより近いオフィスや支店、事業所ではたらきたい 16.6%
今まで就業していたオフィスに出社してはたらきたい 8.9%
サテライトオフィスではたらきたい 1.3%
今の居住地や就業場所のある地域以外の場所ではたらきたい 1.2%
仕事と家庭を両立させてはたらきたい 6.2%
副業・兼業したい 5.0%
わからない、何とも言えない 8.9%
その他 1.8%

進む障害者雇用のテレワーク・在宅勤務活用 はたらき方の柔軟性と配慮が必要

法定雇用率の引き上げや障害者の社会進出、社会的気運や環境の変化を受け、今後も企業には一層の雇用拡大が求められます。複雑化する雇用課題に加え、新型コロナウイルスの影響により、「はたらく場所」や「業務」「人材要件」「管理・マネジメント」「制度」の見直しが急務となるでしょう。

今回の調査では、障害者もコロナ禍において、半数以上が在宅勤務で就業していたことが明らかとなりました。新型コロナ発生前は“障害者に在宅勤務は無理だろう…”といった不安があり、障害者への在宅勤務の導入を見送る企業が多く見られましたが、調査結果から、障害者にとって「どのようなはたらき方ができるのか」は重要な要素となっており、在宅勤務をはじめとする「はたらき方の柔軟性の有無」は、今後、企業の採用競争力や採用後の定着、雇用拡大に大きな影響を及ぼすでしょう。

また、企業が障害者に在宅勤務を導入し雇用機会の拡大を図る際は、企業だけではなく、国や地方自治体など行政や支援機関の役割としても、新たな助成金の創設をはじめ、就労事例の発信や啓発、採用や就労理解のための研修やセミナー実施などの支援が求められるでしょう。

【調査概要】

■企業:新型コロナウイルスによる障害者の採用・雇用施策への影響
実施期間:2020年6月2日~6月5日/実施対象:障害者雇用を実施している企業の人事担当、雇用担当者/有効回答数:355
■障害者:新型コロナウイルス感染拡大による障害者の就業、就職・転職活動への影響
実施期間:2020年6月23日~7月1日/実施対象:全国の障害のある方男女で、就職・転職検討中、または就業経験のある方/有効回答数:763