障害者の解雇数は前年より減少 厚生労働省調査

厚生労働省が発表した「平成30年度 障害者の職業紹介状況」によると、ハローワークに届出のあった障害者の解雇件数は1,980人となり、前年度の2,272人と比べ減少していることが分かりました。

障害種別では、身体障害者が782人(前年度714人)、知的障害者が607人(同735人)、精神障害者が591人(同823人)となっており、特に精神障害者の解雇数が大幅に減少しています。
解雇理由としては「事業縮小」が最も多く174件(前年度78件)で、「事業廃止」が137件(同150件)、その他の理由が21件(同28件)となっています。
都道府県別の解雇届受理状況で見ると、最も多いのが愛知県で219件(前年度131件)、次いで東京都が182件(同91件)、岡山県128件(同221件)、福岡県119件(同55件)の順となっています。解雇数が前年度と比べて最も減少したのは北海道でした(前年度211件、今年度は45件)。

障害者の解雇をめぐる動き

障害者の解雇について、昨年は就労継続支援A型事業所などの倒産・廃業が相次ぎ、雇用されていた障害者の大量解雇が問題となりました。岡山県倉敷市ではこの問題を受けて、事業所指定の審査を厳格化し、指導監査体制を強化する検証報告書を発表しています。
また昨年発覚した国や行政機関での雇用水増し問題を受け、今年6月に改正障害者雇用促進法が成立。不当解雇の防止や再就職支援のため、公的機関が障害者を解雇する場合には、民間企業と同様にハローワークへの届け出を義務付けられることになっています。

民間企業で障害者の解雇・雇止めをする場合の注意点

障害者の解雇も一般雇用者と同様、雇用主の都合で自由に行うことはできません。解雇が客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない場合は辞めさせることは認められていません(労働契約法第16条に基づく)。

障害者雇用促進法の定めにより、民間企業で事業主が障害のある社員を解雇する場合、事前にハローワーク(公共職業安定所長)に、解雇する方の氏名や職種、解雇理由などを届け出る必要があります。
また障害者雇用促進法では、障害を理由にした差別の禁止、および、障害者が労働に従事できるよう適切な配慮を提供する義務が定められています。従って障害を理由に解雇することも認められず、就業において問題がある場合は適切な業務指導や管理を行って改善を図ることが求められます。一方、障害者に対しても、自ら進んで能力向上を図り、職業人として自立する努力をするよう定められています(第4条)。

企業側がやむを得ず障害者の雇止めを検討する場合は、上記を踏まえて検討する必要があります。