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2018.10.31コラム

東京都が表彰 障害者雇用「優良」企業の特色のある取り組みとは

東京都は9月、障害者雇用を積極的に進め、特色のある優良な取り組みを行っている都内の企業6社を「エクセレントカンパニー賞」として選定し、表彰しました。
障害者雇用エクセレントカンパニー賞は東京都が独自に実施している制度で、障害者法定雇用率を達成している都内企業のうち、障害者の能力開発や処遇改善を積極的に行っている企業を表彰しています。障害者が職場で活躍できる環境整備の促進や障害者雇用の啓発を目的としています。

今回、エクセレントカンパニー賞を受賞、表彰されたのは以下の6社です。

  • 株式会社ミュゼプラチナム (渋谷区/美容サロン運営、化粧品・美容商材企画・開発等)
  • 株式会社パソナハートフル (千代田区/サービス業)
  • 大和ライフプラス株式会社(港区/印刷・製本及びコピーサービス事業、データ入力、書類の電子化事業)
  • 花王ピオニー株式会社(墨田区/製造業、サービス業)
  • 株式会社ソシアリンク (新宿区/労働者派遣業、有料職業紹介業)
  • 株式会社ダスキンプロダクト西関東(八王子市/サービス業:ダスキン商品のクリーニング)

これらの企業は、障害者雇用のためにどのような工夫をしているのか、その特色のある取り組みの一部を見てみましょう。

共通業務マニュアル作成や職域開拓、職能等級制度の導入・・・受賞企業の取り組み

美容サロンを運営する(株)ミュゼプラチナムは、店舗管理係として採用する取組みを推進し、本社だけでなく83の店舗で障害者を雇用しています。
制度面では年2回、業績評価及び本人にフィードバック行い昇給に反映させるほか、正社員への転換制度や勤続表彰制度を導入しています。
業務面では、美容サロン業務の作業手順を写真で分かりやすく記載した「共通業務マニュアル」を作成。店舗ではあいさつやお礼などの声掛けや、LINEやホワイトボード等によるコミュニケーションを積極的に行うことで「障害者もチームの一員」という理念を実践しています。

パソナグループの特例子会社として2003年に設立された(株)パソナハートフルは、障害者のアートによる就労支援を行う「アート村」や、野菜や果物を栽培する「ゆめファーム」、一流パティシエの指導のもと、障害のある社員が生地からパン製造を行う「パン工房」など、障害者それぞれの才能・能力にあった新しい職域の開拓に取り組んでおり、現在では6つの事業領域で障害のある社員が活躍しています。
制度面では、障害者の成長を促すため、「目標設定シート」「評価シート」の導入や、業務の習得度・経験により3年~5年でスキルの高い業務にチャレンジできるジョブローテーション、ビジネススキル研修を充実させるなどの取り組みを行っています。

大和ライフプラス(株)は大和ハウスグループの大和ライフネクストの特例子会社として2011年2月に設立。障害者雇用の安定や能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
制度面では、仕事の内容・成果、取り組み姿勢を評価し、段階的にキャリアアップできる「目標設定・評価制度」「職能等級制度」、一人ひとりの勤務時間や勤務環境に合わせて働ける「フルフレックスタイム制」や正社員登用制度を導入しています。
業務面では、チームで工程別に業務を区分化して担当し、個人負担を分散させる「ワークシェア体制」を導入すると同時に、マニュアル化やホワイトボードによって「業務進捗の見える化」を推進。
また、職場定着のために、社外機関との連携や、専門の相談員と月1回の「相談者会議」を実施して情報交換を行っています。

食品加工業のわらべや日洋ホールディングスのグループ会社、(株)ソシアリンクは10年前から障害者雇用に取り組み、全国15か所の事業所で重度を含む障害者を幅広く雇用しています。
障害者が長く働けるための工夫として、採用前に職場見学や実習を行い一人ひとりの特性を把握。入社後は社員全員が、曜日ごとに指導係となって個性や適性を把握し、感謝の言葉をかけるなど、障害者を他人事にしない風土づくりを行っています。また障害の特性に合わせて出社時間や仕事の手順を記した手順表を作るなど、オーダーメイドの支援を行っています。現場担当者は「『社員全員が同じ姿勢で接すること』『特別扱いしないこと』『会社と支援機関、家庭の3社が協力して成長を見守っていくこと』が大切」と話しています。

受賞企業の取り組みから考える、障害者が活躍するためのポイントとは

それぞれの企業が特色のある工夫を行っていることが分かりますが、共通しているのは、以下の3点です。

  • 障害者一人ひとりの特性に合った人事制度を用意し、能力開発やスキルアップのための機会を用意していること
  • 安定して働き、能力を発揮してもらうための業務分担やマネジメントを行っていること
  • 障害者を孤立させず、共に働く社員であるというコミュニケーションや風土づくりを、会社が主導して推進していること

この3点は、障害者雇用において、障害者一人ひとりが長く働き、活躍するための大事なポイントと言えるかもしれません。

東京都の小池百合子都知事は、これらの企業の取り組みについて「障害者の能力を発揮させて、積極的に障害者を雇用する企業が増えていくように、受賞企業の素晴らしい取組を広く周知したい、そして、これから障害者雇用を行う企業のビジネスモデルとして参考にしていただきたい」と話しています。

障害者が職場で安定して働き、活躍するための取り組み例として、参考にしてみてはいかがでしょうか。

関連リンク

東京都 障害者雇用優良取組企業の顕彰制度

株式会社ミュゼプラチナム

株式会社パソナハートフル

大和ライフプラス株式会社

大和ライフネクスト株式会社 ニュースリリース(PDF)

株式会社ソシアリンク

東京都 平成30年度 障害者雇用エクセレントカンパニー賞 受賞企業の取り組み事例 (株)ソシアリンク(PDF)

精神障害者雇用 現場の理解を得るため(ダウンロードのページへ)

オフィスにおける障害者雇用のポイントと今後の方向性~オフィスにおけるインクルーシブな雇用モデルの創出~(ダウンロードのページへ)

障害のある社員の評価制度はどのようにすればいいですか?(障害者雇用に関するよくあるご質問のページへ)