パーソルダイバースの現場コンサルタントによるコラム。障害者雇用を進め、自社内でのノウハウもある程度たまってきた企業様より、ノウハウの再整理と活用に関するご相談を頂きました。障害者雇用でとまらず、障害のある従業員の活躍・自立、さらには全社での成長を目指したご支援に関する事例を紹介いたします。

障害者雇用のノウハウも溜まってきたが、どうまとめたらよいのか?

過去にパーソルダイバースにて、集合配置部門の立ち上げと、採用・定着のための面談支援をさせていただいたB社。
現在は、障害者雇用チームを立ち上げてから数年が経過し、自社内での障害者雇用ノウハウも溜まってきた、という状況とのこと。
「今後、管理者の異動も考えられるので、ここまでチームで築き上げたノウハウを集約し、改めてまとめていきたい」
という意向をお持ちとのこと。
しかしながら、どの項目をどのような形で残すのか?どこから手を付けたらよいのか?がわからずお困り…
という事で、新たなご相談をいただきました。

引継ぎ用のマニュアルではなく、全社的な成長を目指した整理と活用

先方の担当者と一緒に、どのような目的で、どのようなノウハウを残したいのか?を整理していくと、
大きく下記のようなニーズをお持ちであることがわかりました。

  1. 管理者の異動・交代を鑑みて、採用から定着まで、網羅的にノウハウをまとめたい
  2. 現在の障害者雇用チームのみではなく、全社的に活用できる成果物にしたい
  3. ノウハウの整理と併せて、メンバーのスキルアップ施策を考えていきたい

単純に担当者・管理者が変わることを見越した、引継ぎのための業務マニュアルのようなものではなく、
その先の全社的な成長を見据えた課題認識と挑戦であることを理解しました。

障害者雇用の指針から設計、障害者雇用“虎の巻”の作成をご提案

障害者雇用は、SDGsやD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の考え方の広まりに比例し、実雇用数は年々上昇しています。

一方で雇用はできているものの、
・採用は人事部門
・雇用管理や業務ノウハウは所属部門
といった、縦割り・局所的なノウハウの集約で完結してしまっている企業も多くなっています。

また、ノウハウは全体共有できていたとしても、会社の方針と連動しきれておらず、結果として全社方針と一貫した評価制度やキャリアアップ施策が描けない、といった課題を感じる企業様の声も聞かれます。

そこで単にチームノウハウをまとめるのではなく、全社的な障害者雇用指針の設計をメインにし、全社で活用できる、一貫性のある障害者雇用“虎の巻”を作成 することをご提案しました。

まず初めにB社のD&I方針と、これまでの障害者雇用の取組みから、障害者雇用に関するVisionを検討・作成しました。
最初に大枠の考え方を整理することで、その後の議論も大きく散らばることなく進めることができました。

“虎の巻”でキャリアプランまで明示、モチベーションアップに成功

決定したVision、これまでの取組みの中の好事例、検討が必要な事例をもとに下記項目で構成された“虎の巻”の作成に成功しました。

  1. 自社における障害者雇用の考え方・活躍方針
  2. 採用活動開始から入社までの必要フロー
  3. 求人を立てる際のポイント
  4. 選考で見るべき項目や面接官のフロー表
  5. 業務拡大のポイント
  6. 定着面談のポイント
  7. 安全配慮義務のポイント
  8. 人事評価・キャリアアップの制度とポイント

“虎の巻”を作成し社内共有したことで、新規で障害のある従業員のマネジメントをすることになった管理者も安心して対応することができるようになりました。

また、“虎の巻”作成の中でキャリアアップについても整理することができ、障害のある従業員に対しても具体的なキャリアプランを明示できるようになり、モチベーションアップにもつなげることができました。

雇用でとまらず、活躍・自立の実現が障害者雇用の真のゴール

“法定雇用率達成に向けて障害者を採用する”という考え方で止まってしまっていませんか?
雇用することがゴールではなく、安定した就労で会社の一員として活躍・貢献いただく、
その上で社会の一員として自立することを目指す、それこそが障害者雇用の本来の目的です。
障害のある従業員の活躍を目指して、Visionの設計や各種体制、制度の設計もパーソルダイバースでお手伝いたします!

障害者雇用に関する法人向けサービスのご紹介です。
障害者雇用を取り巻く環境変化を常に把握し「持続可能な雇用」に向けて、貴社の雇用経験やニーズ、抱える雇用課題に合わせたサポートをご提供いたします。
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