精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。55回目は何度か取り上げている「新型コロナウイルス」について。これまでは会社としてどんな対応、予防をしているか、という内容がメインでしたが、今回は「罹患したらどうなるのか、何に気を付けるべきか」について、実際に感染された方の実体験をもとにお伝えしようと思います。新型コロナは症状など個人差によって違います、一つの例としてご覧いただけますと幸いです。

自分の特性・症状をしっかりと伝えることが大事

このところ、都内は毎日、万を超える人が感染しています(先日1か月ぶりに1万人を切ったニュースもあるなど、減少傾向も見られますが)。それまではなかなかなかった「自分の身の回りの人の罹患」が、私の周りではあまり珍しいことではなくなってきていました。そんな中、都内在住の精神障害当事者の知人が、家族全員感染してしまった、ということを聞きました。
「私の経験が誰かの役に立てば」ということで、「闘病日記」を書いて、見せてくれました。その中には「不安な中でも気持ちを落ち着かせるポイント」がいくつか書かれていました。そのポイントをお伝えすることで、「自社の社員」「自分の家族」「自分自身」が罹患したときの参考になれば、と思います。

その知人は感染対策を徹底し、ほとんど外出はなし、家と会社の往復の中、家族経由で感染したそうです。家族の中で友人だけが都内ホテルで隔離療養を行いました。発症から療養、帰宅までにおける、「気になるポイント」をお伝えしたいと思います。

最初に言えることは、病院も保健所も関係各所は対応に追われていて、なかなか連絡が取れない、ということ。その中で「いつかは連絡が取れるから安心しよう」と思うことが大事とのこと。ちなみに友人は発熱外来に問い合わせの電話をするのに繋がるまで180回掛けなおしたそうです。それだけで不安になりそうですが、「保健所や病院も異例の事態の中で一所懸命頑張っているんだ」と感じたそうです。

友人は家族と離れてホテル療養だったわけですが、理由は基礎疾患があるから。手帳を持っていること、精神障害で定期通院していることが「基礎疾患」と判断されたようです。ここはひょっとしたら自治体によって、また症状によっては判断が違うかもしれません。そして、このホテル療養の際のポイントとして本人が言うには保健所などからの電話に「自分の症状・特性をしっかり伝えること」だそうです。

当時、都内では大型の施設に仕切りを置いただけの療養施設の導入を検討していたそうです。本人は大人数の中に置かれること、自分以外の物音を聞くことがとても苦手で、そのことをしっかり伝えたことでホテルの個室で療養することができました。なかなか難しいことですが、ここはしっかり伝えましょう。

薬は多めの持参を。コロナ関連のニュースを見るのは控えめに

また、よく言われるのが服用している薬を忘れないこと。これは必要最低限の量ではなく、数日、場合によっては数週間分を持って行くこと、頓服薬があれば、それも多めに持参することが大切だそうです。
療養期間分はあるのは分かっていても「万が一療養期間が伸びたらどうしよう」という不安がよぎるので、多すぎるくらい多めに準備することで安心感が生まれるそうです。また服用している薬を聞かれるので、お薬手帳や携帯アプリを準備しておくことも大事。
そして療養中。症状がいったん落ち着くと、ホテルの一室から出ることができないのでとにかく暇だし、暇だと不安なことがつい頭をちらついてしまう。ですから友人はコロナに関するテレビは見なかったそうです。
コロナ関連のニュースを見ると、特に町でインタビューを受けている人を見ると、「次はこの人がコロナに罹ってしまうかも!」と気が気じゃなくなるそうです。
あとは「毎日イベントを作ること」。幸いにも友人には家族がいるので、少なくとも毎晩夕飯は時間を揃えて、テレビ電話でお互いを映して話しながら食事をしたそうです。「明日も顔を見ながら食事ができる」「家族とのたわいもない会話」が、ホッとしたそうです。友人や親、兄弟と話せると少しは違うかもしれませんね。

これらの準備を整えたことで友人は焦ることなく、重症化することなく、また睡眠など生活が乱れることなく無事に療養期間を終え自宅に戻れたそうです。症状や置かれた環境は人それぞれですが、もし、当事者の知人、社員が罹患して不安になった際にこの記事が少しでも役に立てば幸いです、と書いておきながら当の本人、ワタクシ田町のジョブコーチも子供経由で一家3人、全員陽性になってしまい、この原稿作成が1週間後ろ倒しになってしまいました……。
私も基本は自宅と会社の往復、というかほぼ在宅勤務。どこで罹患したのかさっぱり分かりません。私たち家族は自宅隔離でしたが、友人のアドバイスは効果的で、コロナ関連のニュースはあまり見ないで、マスク越しで会話をしながら、前向きに過ごすことができました。咳、発熱、のどの痛みがかなりつらかったですが……。みなさん、お気を付けください!