精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。54回目は実体験に基づく、「精神障害者保健福祉手帳」を持つとはどういうことか、について。あくまでも「個人的経験・見解」としてご覧ください。

メンタルクリニックに通院しながら、はたらくということ

これまで何回か、「田町のジョブコーチ」であるワタクシが、かつてメンタルクリニックに通っていた話を書きました。最初にメンタルクリニックに行ったのは約10年前。5年ほど通っていました。そして現在は、昨年の1月から2カ月に1度の頻度でまた通院しています。2カ月に1度なので、それほど症状が重たいわけではないのですが(自分の感覚としては)、不安や焦燥感がそれなりにあって、なかなか安心してはたらくことができないので、通い始めました。1度通院経験があると、メンタルクリニックに通うハードルはぐんと低くなって、ワタクシの中では、内科や外科に通院する感覚とあまり変わりません。なのであっさりとここで書けているのかもしれません。

2か月に1度の通院で2種類の薬を貰います。日常的にずっと調子が悪いわけではありません。突発休は2か月に1度くらい。午前休・午後休は月に1~2度程度です。夜、一睡もできないとか、食欲不振とか、不安で突然涙が出るとかは一切ありません。ただ、何となく「低調」というか、周囲のネガティブな言葉に「がーん」とダメージを食らうことが、ほかの人の1.5倍くらいある感覚と言えばいいのでしょうか(あくまでも個人的感覚)。また、「守備力」というか「打たれ強さ」が周囲の人に比べると、7~8割くらいしかない感覚です。そのダメージを薬で補っているイメージです。

手帳は「生活をフォローするツールであり権利」、持つ・持たないの境界線はどこに?

精神・発達障害者が多い特例子会社ではたらき、定着支援業務もしていた、という仕事柄、一定の知識があるつもりですし、入社後精神障害者手帳を取得する社員のフォローを行ったこともあって、あるとき何気なく主治医に「自分も手帳の取得は可能でしょうか?」と聞いてみたことがあります。すると医師は即座に「必要ですか?でしたら診断書を書きますよ。ちなみに、取得する理由は何ですか?」と割とフランクなかんじで尋ねてきました。実はそこまで深く考えていなかったので、「通院費用などを考えると(手帳取得で医療費1割負担になるのです)取ったほうがいいのかな、と……」と答えました。すると医師は「それはいいですね。手帳は生活をフォローする一つのツール、権利ですから、取得するのはいいと思いますよ」と笑顔。

なるほど、と思いました。
「精神障害者手帳を取得すること」はすなわち、「自分が障害者であると証明されること」という認識だったのですが、「一つのツールで権利かあ」と目からうろこ的な考え方を斜め上からもらった感覚でした。そして同時に、改めてじゃあ、「手帳のありなし」「精神障害者と健常者」の線引きが分からなくなった思いでした。そもそも線引きが不要なのかもしれませんが。

かつて当社の当事者社員と話す中で「同じメンタルの病気でも手帳ありなしの違いは、例えば普通の骨折だけで済むのか、骨折後の毎年後遺症に悩まされるかの違いみたいなものです」と教えてもらったことがあります(これも個人的見解で、症状や病歴などによって見解はさまざまあると認識しています)。
そのことも思い出し、また今回の医師の話を聞いて、ますます線引きというか違いって何だろう、と最近考えさせられています。

自分のことを顧みていうならば、線引きではなく、延長線上にある、ということかもしれないな、と思ったりします。なかなかこの解釈は難しくて、デリケートな問題だとは思っています。今回書いた内容も反論があるかもしれません。あくまでも「選択」を考えている個人的見解であるとご認識いただけますと幸いです。

書き綴っていることにスッキリと答えが出るまで、引き続き考え続けたいと思います。ただ何となくですが、「違い」をそれほど考える必要はないかもしれないな、とは肌で感じているところです。
あと、同時に自分が手帳取得するかどうか。それもまた考えたいなと思いました。特別視する必要もなく、フラットな心で考えます。その答えは、いずれまたこちらで。今回は(も?)モヤっとした内容で失礼しました!