精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。52回目は当社で行っている研修について、少しご紹介したいと思います。

障害有無や障害種別は様々。新任リーダーに向け、担う役割や自己理解を深めてもらう

私たちの事業本部ではサブリーダー、リーダーに着任した際に、該当社員に向けて研修を行っています。人数が大幅に増えたことなどの理由で(それ以外にもありますが)、この10月から研修コンテンツを一新しました。リーダーが担うべき役割や、メンバーに対する支援の在り方、また自身やメンバーに自己認知を促すこと等。メンバーフォローやチームマネジメントに必要な「授業」をマネジャーやその上の事業部長などが講師となって行います。

少しだけ内容を紹介すると、リーダーの役割とは「担当する組織の価値提供を高めること」。担当するお客様、チーム、そしてチームメンバーに対して、それぞれの価値を向上させること、といった講義が行われます。
また、サブリーダー向けの自己認知の研修では、「メンバーのことを理解するのは大事だが、その前に自分自身のこと正しく理解できているか」というテーマで、グループに分かれて「サブリーダーの役割とは何か」と「なぜそう考えたのか」をそれぞれ考えて発表。参加者の意見、他者の見解を通じて自身の考えと自分そのものを客観的に捉える、という内容になります。

着任するサブリーダー、リーダーは手帳の有無や障害種別はさまざま。言い方を変えれば「●●障害だからなれない」とか「手帳がないメンバーじゃないと昇格できない」などの「条件」はありません。実力や適性を見て平等に昇格しています。手帳を持っているサブリーダー、リーダーは当たり前のようにいて、合理的配慮のもと、手帳なしのリーダー、サブリーダーと同様に、担当する組織の価値提供の向上に努めます(例えばメンバーへの業務や体調のフォロー、またメンバーの自己実現のためのアドバイス等)。手帳ありリーダーの配下に手帳なしメンバーがいることも当たり前のようにあります。一応お伝えしますが、研修内容は障害有無関係なく、同じコンテンツになっています。

受講者の感想「進むべき方向性が分かった」「役割を自覚」 拠点の離れたリーダー同士の繋がりも

サブリーダー、リーダーともそれぞれ、2日間みっちり研修が行われました。そして、今回研修受講者に対して、アンケートではなく、対話で(といってもこのご時勢ですからオンラインですが)研修の理解度、感想を田町のジョブコーチが聞いてみました(元新聞記者ということで60数名のインタビューは可能だろうという理由から大抜擢されました。ありがとうございます涙)。

受講者へのインタビューはおおむね好評でした。これまで明確に示されていなかった「リーダー(サブリーダー)の役割」についてのコンテンツは、特に発達傾向がある社員にとって「明確に道を示してもらって進むべき方向が分かった」「何となく認識していたが、改めて明言してもらったことで、自分の役割を自覚できた」と好評でした。また、定着支援に関する講義では「メンバーの不調を一人で改善させようとしなくて大丈夫。役割分担を明確に行い、早めに相談してください」というメッセージを受け取り、「ホッとした。自分だけで対応しなくていいんだ」と安どする社員もいました。

1か月に2けたの入社者がいることも珍しくない当社。社員数、部署、そして拠点が増えたことにより、これまでにない景色が見え始めています。特に今回は、北は仙台、首都圏は田町、目白、池袋、横浜、そして大阪と、各拠点を繋いでオンラインで研修が行われました。

何より参加者の声で多かったのが「これまでなかった横の繋がりができた」ということでした。オンライン上でグループ分けを行い、ディスカッションを行うことで、リーダー同士、サブリーダー同士活発な意見交換ができたようです。「他のグループの仕事内容が分かって会社の全体像が少し分かった」「ほかのリーダー、サブリーダーの考え方を知って、自分が間違っていないと分かってホッとした」「意見交換したことで、マネジメントの悩みが解決した」……、とポジティブな感想が続々と生まれるとともに、各拠点の横連携も生まれたのではないでしょうか。これまでは「会話が苦手」という特性に配慮しすぎてワークは遠慮気味でしたが、新しいチャレンジはうまくいったようです。

今後、ますます規模が大きくなる当社では、サイズ感や掲げるミッション、やるべき役割もまた変わってきます。そのたびに社員に求めるものも変わってくるでしょう。その様子をつぶさに報告することで、このコラムを読んでいる皆さんのお役に立つことができれば幸いです。