精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。51回目は毎年書いていることではありますが、これから冬にかけて、支援担当は忙しくなるというお話です。

心身の調子を崩す社員が増える季節に向けて

「またこの季節がやってきたね」「これから忙しくなるだろうねえ」。先日、ほとんどの社員が帰った夜の田町オフィスで(といっても、残業がほぼない私たちの事業部は19時になるとほとんど人がいなくなります。あと、テレワークも導入していますし。もちろん他のオフィスも同様です)定着支援担当者とそんな話をしていました。

コラム5回目、18回目、32回目でも触れていますが、今年もまた不調者が増える傾向にある冬が近づいてきました。秋から冬にかけて、そして真冬に感じる何とも言えない物悲しい空気。日照時間も短くなり、夕方には真っ暗。寒くなり活動量も落ちてきます。体も心も縮こまってしまいます。「冬季うつ」という言葉があるように、この季節は実際に心身の調子を崩す社員が多くなる傾向にあります。

先に挙げた季節要因のほかにも、街中を流れる音楽やデパート等のディスプレイが華やかになるクリスマスシーズンも不安、孤独を増幅させる要因です。また年末年始の長期休暇は、テレビの特番や、休みだからとついついやってしまうゲームなどの夜更かしで睡眠のリズムが崩れて体調に影響する社員も少なくありません。気候・気温に加えて年末年始特有のイベントも社員に影響を与えるのです。これから冬本番、1月か2月まで支援担当は気が抜けない日々が続きます。

社歴の長い社員は「年間の体調のリズム」を把握。適度な距離感で声をかける

「冬季うつ」などの具体的な症状に対応できるのは病院(医療領域)ですので、会社でできることはなかなかありません。ですから、会社としては通院を促し、支援機関に早めに連絡して、事後の対応を相談するように、と伝えることがほとんどです。会社の外で起きることに支援担当はなかなか関われないのが、歯がゆいところだったります。
ただ、一方で社歴が長い社員に対しては、少しできることがあると思っています。1年以上はたらいていると、その社員の「1年の体調のリズム」が何となくですが把握できます。「この社員は台風で気圧が乱れる9月前後が不調になるな」とか「この社員は4月ごろに花粉症がひどくなり、心身の調子が乱れるな」とか。冬場に体調を崩しがちな社員は多いので、「もうすぐ冬本番だから、体調に気を付けましょう」「昨年のいまごろはどんな対策をしていたっけ」「1年経って、対応策が見つかって昨年のいまごろよりは調子がいいんじゃない」などとコミュニケーションを取るようにしています。

また、支援担当としてちょっと嬉しいのは、長く在籍した社員は、「辛い時期の症状」が1年経つごとに、少し軽くなっているのが目に見えて分かることです。毎年同じ時期に、同じような不安・症状で調子を崩すものの、1年の間に経験したこと、掴んだことがプラスにはたらいているのだと思います。「そうはいっても昨年のいまごろよりはちょっと元気だぞ」と感じると、社員の頑張りや、支援担当としてフォローしてきたことがプラスに作用しているんだ、とじんわり喜びを感じます。

ここ数年の支援業務を通じて、個人的にやろうとしていることは、「調子が悪くなる時期」が近づいてきたら、声をかけすぎない程度に、声をかけること。あまり言いすぎると本人も意識してしまって、逆効果になる場合もあります。「冬の時期ってなんだか憂鬱になりますよね。何かあればいつでも言ってくださいね」とさりげなく、しかししっかりと構えを取ることが大事じゃないかな、と思っています。毎年のことではありますが、これからしばらくの間は、気合を入れていこうと思っています。頑張れば、来年また、やりがいと喜びを感じることができますから。