精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。50回目は過去の経験から振り返る、不安払しょくのタイミングとかけた言葉について。

今年4月に採用・育成Gに異動した田町のジョブコーチ。異動前もそうですが、いまも入社者との面談をたまに行っています(入社直後の研修・面談については42回目をご覧ください)。また、かつて定着支援担当時代は配属直後にも面談を行っていました。入社前・入社直後・配属前後、このあたりは入社社員の不安が強いので、コミュニケーションを密に取り、社員の疑問に答える形で不安払しょくに努めていました。特に「変化に弱い」という特性のある社員に対する初期定着の参考になれば、と思い、少し当時を振り返ってみたいと思います。

入社直前・直後は、どんな小さな疑問にも丁寧に答える

入社前。たぶん、この時期が緊張MAXではないでしょうか。入社1週間~10日前を目安に、本人と支援機関の方が来社(またはオンライン)、配属される先の社内支援担当と三者で「入社前面談」を行っています。私も行っていましたがその際「今、一番緊張が強いです」という声を一様に聞いていました。そこでこの面談ではどんな小さな疑問にも答えるようにして、入社前、両肩にのしかかる不安を少しでも軽くしようとしていました。「お昼ご飯は買いに行くのか、食べに行くのか」「一人で食べても大丈夫か」「初日はどんな服装で行けばいいのか」「入社後の社内の雰囲気は」「入社日に持って行く書類は何か」等々、疑問はたくさん出ていました。

入社直後は「どんな会社だったか」が少しだけ分かって、雰囲気も(最近の実習はオンラインではありますが)何となく伝わってきます。社内研修や業務体験実習も始まると、今度は違う疑問が出てきます(詳細は42回目のコラムをご覧ください。ざっくりお伝えすると入社後、次々と現れる「新しいこと」に対する疑問でした)。その疑問・不安に定期面談で相談に乗っていました。

配属後は一人ひとりの状態を意識し、その人に届く言葉を選ぶ

そして配属。いよいよここからがパーソルチャレンジ人生の本格スタートです。配属日の初日はおそらく緊張もMAXに近いはず(入社日に次いでの緊張具合だと察します。人によっては配属日がMAXかも)。これはあくまでも現場の上長と打ち合わせたうえで、かつ配属現場の方針に沿って、という大前提ですが、あまり「ハッパをかける声」はかけないようにしていました。
配属初日、「とにかくここからミスはしてはいけない」と緊張感が強く社員、「やるぞ!頑張るぞ!!」と少し気持ちが上がりすぎる社員、「周囲の先輩社員とちゃんと話せなかったらどうしよう」と不安になる社員……。その気持ちは性格、特性によってさまざまです(手帳の有無関わらず、転職初日とか配属初日はものすごく緊張するものですが)。ですので、この時点では「みんな一緒に頑張ろう」みたいな、全員同じ方向を向くような声掛けではなく、まずは「みなさんのペースで仕事や環境に慣れてください」「みなさんにとっての頑張れるところはどこまでかを見つめて、そこに向けて緩やかにスタートしましょう」と、入社者それぞれの状態に合わせたスピードを意識してもらえるような声掛けをしていました。

改めてですが、特例子会社である当社はさまざまな個性・特性を持った方が入社します。そして、ここ最近はそれが20人を超える月もあるほど。人数が多くなればなるほど、特にスタート段階はより個人に向けた発信を意識する必要があると思っています。一人で黙々と仕事をしたい人、逆に仲間の声が力になる人。自己の成長を追求する人、障害と向き合いながらコツコツと自分のペースで会社に貢献したい人。繰り返しですが、特性・個性・価値観、さまざまな人が入社する特例子会社なので、それぞれの人に届く言葉のチョイスがとても重要だと感じています。その言葉を見つけるのがとても難しく、たいへんであり、同時にやりがいにもなるものなんです。