精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。45回目は、最近外部での発言機会を増やしている当社の当事者社員について。

当事者社員が、自身のことを伝える機会が増えている

現在、田町のジョブコーチらが「ユニバーサルワーク研修」という、精神・発達障害者とともにはたらくためのマナーを伝える研修を実施している話は、何度かコラムで触れてきました。講師は当事者であることが最大の特徴です。そんな、「当事者が語る」ということが当社ではこのところ増えてきているのです。

当社の当事者社員が、外部企業などに赴き(もしくはオンラインで)、自身の障害について、また入社にあたってどんな準備をしたか、入社後に感じたこと、入社してからの仕事内容、自身の特性に対してどんな対応をしているか、やりがいやたいへんなこと、また将来の夢など……。そんなことを約7分間、20名~40名の前で話しているそうです。これは別事業部が行っている外部企業向けの研修コンテンツの一つとのことで、昨年度の9月からスタートしています。私自身、勉強会などで、精神・発達障害の当事者社員が自身の話を聞く機会が何度となくあったのですが、話す内容が聞く度に当事者社員の苦労・努力などが体の中に染み入るように伝わってきました。3~4年前だったでしょうか、「いつかは当社もこんなことを積極的にやりたいなあ」と思っていました。ベテラン社員が増え、フォロー体制ができて、いま当社もこういうサービスができていることが感慨深いです。

当事者自身の成長や、企業の障害理解・雇用創出に繋がる機会に

実際に企業の前でお話をする社員に感想を聞いてみると、「自分の障害のことが誰か(別の会社)のためになることはやりがいになって嬉しい」「事務のアウトソーシングがメイン業務の当社で別のことができるのは新鮮で楽しい」という声があがってきました。自身のことを話すのは決して簡単なことではないと思います。また大勢の人の前で話すのはとても緊張することだと思います(私も今でも足ブルブルです)。そんなハードルを乗り越えている社員は素晴らしいし、「外で話せるようになる」というキャリアパスが生まれると、業務の多様性が生まれて、嬉しいなあと思ったりします。
当然ですが当事者が話すことにより、企業にも「当事者が話すことでイメージがつかめた」「なにより説得力が違う」「一緒にはたらけるとポジティブな感情を持つことができた」とメリットが数多くあるようです。主催する事業部からも「お客様の反応がぜんぜん違う」という感想を貰っています。

これは田町のジョブコーチのまったくもって個人的な希望というかやりたいことですが、外に向けた発信について、もっともっと当事者社員で担えるとまた新しい景色が開けるだろうなあ、と思っています。広報業務というか、会社案内だったり、説明会だったり、企業での研修や、また各種勉強会での登壇だったり。当社の外向け発信を当事者がより多く行う。そうすれば「精神・発達障害に詳しくない企業・人」の理解が深まり、雇用機会が生まれ、より多くのはたらいて笑える人が増えるのでは、と感じています。そのためには緊張を乗り越えるとか、勤怠を安定させるとか、日々の業務の工夫を他者に伝えられるように準備するとか、いろいろとやるべきことがあるのですが、いまの当社社員だったらクリアできるんじゃないかなあ、と漠然と思っています。