精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。43回目は、7月1日に開所した新しいオフィスについてご紹介します。

新オフィスはフリーアドレス制を導入。精神・発達障害の特性への不安も

はじめに…。これまで「田町(兼目白)のジョブコーチ」と名乗っていましたが、この7月より田町オフィスでの仕事に専念することになり、今後は「田町のジョブコーチ」と書かせていただきますので、改めてよろしくお願いします。
と、どうでもよいお知らせから始まり恐縮ですが、この7月1日はそんなどうでもよい異動より、大事なことがありました。池袋に新しいオフィスが開設されたのです。その名も「池袋第二オフィス」(そのままですね…)。
私が所属する組織では、首都圏は田町、横浜、目白、大宮、池袋。首都圏以外では仙台、大阪(2つあります)、高知四万十にオフィスがあります。それに続いての新しい拠点が池袋第二オフィス(池袋に2つ目のオフィスなのです)。グループ企業の事務の業務委託が事業の大きな柱の当社。お客様から当社の仕事の質の評判が高まっていき、仕事が増え、人が増え、オフィスも増えたという好循環が続いているのです。

新しいオフィスのキャパシティはおよそ120席。現在はひとつのグループが移動してきたので、埋まっている座席は半分程度。執務スペース、リフレッシュスペース、会議室、そして不調時に横になるために使う「休憩室」。これらは従来のオフィスとあまり変わりはありません。池袋第二オフィスの最大の特色はフリーアドレスであること。他の企業では現在では、それほど珍しいことではないのかもしれませんが。
これはあくまでのワタクシ・田町のジョブコーチの絶賛主観的考えなのですが、精神・発達障害の社員が多い当社とフリーアドレスはあまり相性が良くないと思っていました。精神・発達障害者の特性の一つとして(あくまでも数ある特性の一つであって、全員が持っているわけでありません)、「判断が苦手」というものがあります。フリーアドレス経験がないワタクシは「好きなところに座っていいよ」と言われているような気がして、毎朝判断するのはたいへんじゃないのかなーと思ってしまうのです。そのあたりをグループのマネジャーと聞くと、導入直後の現在は、チームごとにだいたいの場所を決めて、その決められた範囲の中で好きなところに座ってください、という緩やかなスタートにしているそうです。そして、次第にその範囲を広げていく予定とのこと。(飲食店でお好きな席にどうぞ、と言われると戸惑ってしまう自分の性格上、気にしすぎなのかもしれませんが)
コロナ禍で新しいはたらき方を模索する中、フリーアドレスを導入し、テレワークと絡め、実際の座席数より多い人員の採用を可能にし、コスト削減を実現し、さらなる会社の成長を目指す。それがフリーアドレス導入最大の目的と理解しています。同時に、どうしてもちょっと心配してしまう文字通り「職業病」が顔を出してしまうのです。

心配や慎重さより、挑戦と、失敗への対処が大事

が、思い出してみれば、服装自由化にしたときもまったく同じ心配をして、それが心配無用だったことに気づきました。「服装自由にしてしまうと、何を着て出勤していいか迷ってしまうので、そうであれば、基本スーツ、クールビズ時はノーネクタイ、もしくはポロシャツにしましょう」と長らく統一していた当社。ある時期を境にジーンズやTシャツ、スニーカーを含めて、服装を一気に自由にしました。大丈夫か?と思ったのですが、まったくもって大丈夫でした。こんなに杞憂らしい杞憂ってあるのか、というくらいの杞憂でした。このコラムでも書いたことがありますが、かつて障害者雇用の先輩がテレワークを導入したときに、「何かあったらどうする、というその『何か』はまったくなかったんです」と教えてくれた言葉を鮮明に思い出しました。フリーアドレスの導入もそういうことになるんだろうなあ。
そして結局、それは障害者雇用に関わらずですが、いろんなことに挑戦し、失敗したときどうするかが大事。障害者雇用の場合は、その失敗に対して、ちょっとだけ慎重になってしまうんだろうな、と思いました。挑戦する勇気、または失敗を恐れない勇気をもって、田町で頑張りたいと思った次第です。