精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町(兼目白)のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。37回目は過去5年間の社員フォローをちょっと振り返ってみたいと思います。

「何かあったときに・・・」の“何か”はどれだけ起きたか

田町(兼目白)のジョブコーチである私。2021年4月に異動しました。社員の日常をフォローする定着支援の業務から、社員の育成・研修、また採用をするグループです。とはいえ自分の仕事は今後もそれほど変わりません。いま書いているコラムのように当社障害者雇用の事例を紹介するための外部発信、「精神・発達障害者と働くためのマナー ユニバーサルワーク研修」の普及、そして一部社員の定着支援を担当します。とはいえ、定着支援の仕事がメインの仕事ではなくなるので、まずはいったんここで一区切り。約5年の自分の支援について少し振り返りたいなあ、と思います。ちょっとの時間、お付き合いいただけますと幸いです。

そもそも精神障害についての知識や福祉の経験がゼロで異動した私。いったいぜんたいどんなことが起こる日々になるのだろうか、と緊張、不安が渦巻いての船出でした。ところが……、緊張や不安とは裏腹に、特に大きなトラブルというか、社内がハッとするようなそんな出来事はほとんどなくて、割と毎日が粛々と過ぎていきました(異動前の部署のほうがよっぽどいろいろとあったかも…)。

精神障害者の雇用が多い当社に対して他社の障害者雇用担当者はほとんどといっていいように「毎日たいへんでしょう?」「通院同行とか、出勤してこなくて家に行くことも多いんでしょう?」と聞かれていました。個人的な経験でいえば、通院同行をしたのは2回。また、勤怠連絡がなくて自宅に安否確認しにいったのも2回だけです(そもそも安否確認は所属する部署のマネジャーの仕事なので、私は「付き添い」で行っただけですが)。つまり、何が言いたいかと言うと、「みなさんが想像するようなそんなにたいへんなことは年に1回起きるか起きないかです」ということです(これはあくまでも私の経験であって、全国に拠点を構える当社のすべての事例を集めると、もうちょっと頻度は増えるかもしれませんが)。

会社ではたらくために必要な支援を全力でしていくこと

以前別の障害者雇用の担当者と話したときに「何かがあったときにどうするか、と考えてしまうが、その『何か』はこれまでほとんど起きなかった」と話していましたが、それはまったく同感で、この5年間、会社や支援担当が大いに慌ててしまうような「何か」はほとんど起きなかったと思います。それはどうしてか。ひとつはやっぱり、私が支援している場所が会社だからだと思います。毎日同じ時間に起きて、例えば東京の超満員通勤電車に乗って(いまは在宅のケースもありますが)、はたらくことができる。そういった人々の支援が私の仕事でした(です)。「精神障害」というと、ついひとくくりにして考えがちですが、「いまははたらかずに治療が必要な人」「就労に向けて訓練が必要な人」「二人三脚で支援をしながらはたらくことに慣れていく人」「何かあったときにさりげなくフォローすれば大丈夫な人」といろんな人、ケースがあると思います。障害者雇用における支援者としては、とにもかくにも「二人三脚で支援をしながらはたらくことに慣れていく人」「何かあったときにさりげなくフォローすれば大丈夫な人」、この部分を全力で、かついろんな関係者と協力していくことが大事だと思っています。そしてそれは特別に大変で難しいことではないということを改めてお伝えしたいな、と思います。

2021年4月1日現在、障害者数535名に対して精神障害者402名がはたらいている当社の日常や、支援がうまくいったときの成功事例などを今後もこのコラムでしっかりとお届けしたいと思います。そうすることが、より多くの障害者の雇用に繋がり、それが「障害者雇用を、成功させる。」という当社のミッションを実現させると信じています。これからもよろしくお願いします!