精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町(兼目白)のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。27回目も新型コロナウイルス関連のお話。前回、当社は基本的に9月末まで在宅勤務が続くとお知らせしました。4月から3か月も経過すると、少し在宅勤務が浸透してきたかな?と思わせるように、落ち着いた様子を見せ始める社員もちらほら。そんな中、決して少なくない社員が口にしている「コミュニケーションが減った」ことについて今回はお伝えします。

在宅勤務で増える「コミュニケーションロス」の悩み

当社に限らず、在宅勤務に伴うコミュニケーションロスが問題になっていて、TVニュースやwebコンテンツでも何度も取り上げられています。そんな中、田町(兼目白)のジョブコーチがよく目にするのは「雑談が大事」という記事。雑談によるコミュニケーションが社員の関係性を円滑にしていた、なんて記事もありました。企業の中には在宅勤務導入を機に、雑談専用社内チャットを設けているところもあるそうです。
この雑談が大事、というのは個人的に共感するところがあるのです。だいぶ話はそれてしまうのですが、田町(兼目白)のジョブコーチはかつて、新聞、雑誌、広告業界にいて、インタビューする機会が数多くありました。そのときに感じたのが「雑談の中にニュースが転がっている」ということ。インタビューが終わって、取材ノートを閉じた後、ICレコーダーを止めた後、その後の雑談で取材対象者がホッとして、もしくは気が抜けて本音をフッと漏らすことがたびたびありました。本音を語ることはその人がリラックスしているということであり、その人の性格が丸っと顔を出していました。

在宅勤務になるとコミュニケーション手段が限られますし、オンラインの不安定な通信状況によって、大事な用件だけを伝えるだけのコミュニケーションが多くなります。個人的体験でいえばそれまで60分かけていたMTGが30分で終わることも一度や二度ではありません。時間短縮は、それはそれでとてもいいことだと思います。その一方で、このシンプルなコミュニケーションが「孤立感を感じる」「何となく寂しい」という感情を生み出すようで、ここにきて「在宅勤務お悩み」の上位に食い込んできています。社員は確かにある程度の落ち着きを見せてきた一方で、この悩みは存在感を増してきているように感じました。

雑談メインのzoomランチ会実施。在宅勤務後の安定就労・定着へのヒントにも

そこで、以前少しチラリと紹介したのですが昼休みに有志で「zoomランチ」を行いました。1回目は在宅時の対策は何をしている?をテーマに当社の保健師を交えて6名で実施。在宅時の工夫として「社員証を提げて実際と変わらない恰好で仕事をしている」「寝室から職場である隣室までリュックを背負って通勤している」などなど、社員それぞれの工夫が飛び出してくるあっという間の1時間で参加者に好評でした。
好評だったことを受けて開催した2回目は、完全に「雑談タイム」に振り切ってテーマはプロ野球。野球好き5人が集まって、ここぞとばかりに野球ファン以外にはわからないマニアな話題で盛り上がっていました。この2回のzoomランチを通じて感じたのは、「参加者がとても楽しそうな笑顔を見せていたこと」。終わった後はすっきりした様子で業務に戻ったのが印象的でした。雑談を通じてリラックスして自分の素を出して、うまく切り替えができているように感じました。

障害特性の中には「落ちがない雑談は何を話していいか分からない」というものもあり、「全員雑談するんだ~」なんて言うつもりはありません。在宅勤務後の安定就労・定着のためのひとつの手段として、有効なのは間違いないな、と思っています。すでに各所から次回開催の問い合わせがありました。
またサッカー好きの事業部長からは「サッカーネタの際は参戦させてほしい」というオファーも貰っています。まずは支援担当がハブになり、そのうち社員自らが自発的にコミュニケーションを取りに行けるようになればいいな、と思っている次第です。