精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町(兼目白)のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。今回は、当社がグループ各社から受託し、日々行っている様々な業務への取り組み方について紹介します。

世間一般的には、お盆の時期は夏休み。みなさん、どこかにお出かけしたのでしょうか。田町(兼目白)のジョブコーチは、1歳になる息子の病気の看病で、あっという間に休みが終わってしまいました。ちなみに、長期休みの後は体調を崩すメンバーが増える傾向にあります。今回も例外ではありませんでした。休みで時間があると、さまざまなことを考え、ときには自分の中の不安を大きくする社員もいるようです。「この先の人生について考えていたら不安になって……」等、休み明けにいくつか相談を受けました。
閑話休題。数多くの業務をグループ各社から受託している当社。その中には当社ならではの特徴的な業務もあります。今回は他の特例子会社と比較しても、なかなか珍しい業務について紹介したいと思います。

定例反復型ではない業務を行う工夫とは

特例子会社の業務についてよく耳にするのが「定例反復業務」ではないでしょうか。例えば各種書類の封入・封函業務や、オフィスの清掃、郵便物の仕分けなどはよく耳にすると思います。当社でもそういった業務を行っています。当社の業務で特徴的なのは、グループ個社が運営している求人媒体の求人原稿制作業務や求人原稿の審査・校閲業務を行っているところ。特に文章制作業務には正解があるわけではなく、個々の判断を伴います。ボリュームにしても、お客様(この場合のお客様はグループ外の一般企業です)の採用ニーズに合わせて、都度変化します。つまり、定例反復ではありません。

原稿制作という行為はとかくアナログ感がいっぱい。田町(兼目白)のジョブコーチは、当社に来るまで新聞、雑誌、求人原稿の制作現場に約20年いました。職人的に半ば口伝で仕事を覚えてきた身としては、異動直後に見た、当社の原稿制作の仕方についてたいそう驚いたものです。
まず、驚いたのは原稿制作の手順に合わせて業務を切り出している点。一つの案件に対し「できること」をそれぞれが担当しています。文章を作る人、企業に電話する人、企業所在地の地図情報(緯度・経度)を取得する人……、障害種別問わず、「できること」をそれぞれが担当しています。また、文章制作における工夫にも驚きました。詳しくは言えませんが、企業情報や条件(例えば未経験歓迎等)を入力すると、ツールがキーワードを表示して文章作成の参考にしています。頭をひねってうんうん唸るのが原稿制作と思い込んでいた田町(兼目白)のジョブコーチには目からうろこでした。

こういった工夫を重ねる現場のリーダーは、メンバーとの接し方で気を付けていることとして「個人の物の見方や価値観を否定することはせずに、まずは個人スキルに合わせた仕事をお願いしています。そこからスタートして自信をつけてもらうようにしています」と教えてくれました。
マネジメントで工夫しているのは「タスク表を作ってリーダーと共有する」「一人で仕事を任せるのではなく、慣れたメンバーと仕事をペアで進める」「仕事ができたらしっかりほめる、自信なさそうな顔をしているときは声をかける(特にここは力を入れているそうです)」といったことです。

「どうやったらできるか」という姿勢が成長のきっかけに

原稿制作を受託する際は、会社でもある意味チャレンジングな判断だったと聞いています。ただそのチャレンジをした結果「最初、シングルタスクしかできないと言っていたメンバーが、1年後に複数の業務をバリバリやっている」「スキルアップなど成長意欲が高まり他者と積極的にコミュニケーションを取るようになった」(現場リーダー談)という成長を見せた社員もいたとのこと。もちろん、全員が全員劇的な成長を遂げたというわけではありません。ただ、こういったチャレンジの結果当社には、「この仕事は当社では無理だな」と考える前に「どうやったらできるかな」という姿勢が浸透したような気がしています。原稿制作に限らず、いろんな仕事にチャレンジした結果、いまでは100を超える業務を受託しています。
今後もさまざまな当社の挑戦を紹介できればと思っています。