精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町(兼目白)のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。
今回は節目の10回目。改めて、当社支援の現場では精神障害のある社員と一緒にはたらくことについてどう考えているかをお伝えします。

こんにちは。田町(兼目白)のジョブコーチです。この連載も早いもので10回目。今回は節目ということもあり、田町(兼目白)のジョブコーチが「精神障害者と一緒に働くこと」についてどう考えているか、改めてお伝えしたいと思います。

精神障害のある社員の支援は大変なのか

パーソルグループの特例子会社である当社パーソルチャレンジは2019年4月1日現在、社員数521名。うち手帳を持っている社員が334名、その中で精神障害者は211名です。7月現在、この数字はもっと増えていて、現在首都圏では目白オフィスを中心に採用。5月の同オフィス開所以降、毎月4~5名ペースで社員が増えています。これまでのところ目白オフィス5月以降の中途入社者は全員精神障害者です。また、障害種別に関しても●●障害は採用しない、ということはなく、発達障害、うつ等、さまざまな方が入社しています。

2018年4月1日から、障害者雇用義務の対象として精神障害者が加わりました。各企業でも採用に力を入れています。これは、田町(兼目白)のジョブコーチの個人的感覚なのですが、各種勉強会の席で、以前にくらべて「どう採用していいか分からない」「そもそも精神障害って何?」という声は減ってきたように思えます。
たまに「支援員は毎日たいへんじゃないですか?」と聞かれますが、実はそんなにたいへんじゃないと思っています。
当社の首都圏オフィスは田町、目白、横浜にあります。そもそも「都会」に朝から通勤電車に揺られて月曜から金曜まで毎日通うことができる。そういう人たちが当社に集まっているのです。それだけでも大丈夫かもしれない、と思いませんか?

さらに付け加えますと2015年秋、田町(兼目白)のジョブコーチがこの会社に異動してきて以降、社内外で大きなトラブルは起きていません。「連絡が取れず行方不明になった人とか、社内や社外で暴れて他者を傷つけた人が多いんじゃないですか?」と何度か聞かれたことがありますが、そのようなことは一切ありません。

精神障害のある方々は、治療のフェーズ、就労を訓練するフェーズ、はたらくフェーズの人とさまざま。当社では(当社じゃなくてもですが)はたらくフェーズにいる方が入社しています。「世間で言われるほど、心配するような出来事はそんなにありません」というのが実情だと思っています。

「精神障害があるから…」にとらわれない

もちろん、当社も最初は手さぐり。例えば……。田町(兼目白)のジョブコーチは「人材支援グループ」という組織に所属しています。このグループの役割は大きく分けて2つ。支援と教育・研修です。研修はかつて(4年ほど前だったと記憶しています)、社員からのリクエストに全部応えていました。「突然質問を投げかけられると、頭が真っ白になる」ので、突然は当てない。「周囲とコミュニケーションが取るのが苦手だからグループワークができない」ので、ワークはやらない等々。
しかし「研修の目的は社員の成長を促す・手助けすること」なので、あるときからワークはやってもらうし、「●●さん、これどう思います?」と質問もしました。するとどうなったか。特に大きく変わることはありませんでした。メンタルダウンした社員が続出したわけでもありませんでした。想定より「グループワークは多くてよい」という要望がありました。

つまり何が言いたいのか。「精神障害と聞くといろいろ心配してしまうのだけど、でも意外と大丈夫なこともあるんですよ」ということです。管理者・支援者が配慮しすぎた線引きをするのではなく、「どこまで大丈夫か」を日々試行錯誤することが、障害者雇用の現場では大切なのかなあと漠然と考えることがたびたびあります。そして、その「絶妙なライン」を探し当て社員の笑顔を見たとき、結構嬉しくて、それがこの仕事のやりがいだったりするのです。

最後までお読みいただきありがとうございます。11回目以降は、田町(兼目白)のジョブコーチの声だけでなく現場メンバーやマネジャーなど、当社のさまざまな声をお届けしたいと考えています。引き続きのご愛顧、よろしくお願いいたします。