精神障害のある社員が多くはたらく当社では、日々さまざまなことが起きています。社員の悩みや課題に向き合う、「田町のジョブコーチ」が障害者雇用の日常、また、課題にどう向き合っているか紹介します。3回目の今回は、最近流行っている、SNSとの付き合い方、についてです。

こだわりの強さから睡眠不足に

「毎日夜、眠るのが遅くなってしまうんです」「週末はつい、夜更かしをしてリズムが崩れてしまって、週の半ばにはどっと疲れてしまいます」……。生活のリズムが崩れ睡眠不足になり、ひいては心身の調子を崩す。そんな相談がよく寄せられます。

例えば、うつや統合失調症など気分障害の社員は、将来を悲観したり、明日から始まる新しい仕事に不安を感じたりして眠れない、夜中に目が覚めるという相談がたびたびあります。

一方、“マイルール”が総じて強いと言われる発達障害の社員からは、別の理由で眠れないという相談がよくあります。
「家事がたいへんで毎晩寝る時間が遅くなるんです」。よくよく話を聞いてみると、18時に退社し、それからスーパーで買い物して、夕飯はご飯、お味噌汁、メインのおかずに小鉢も作る。食事が終わったら、毎日洗濯をして家計簿つけて、趣味のブログを毎日更新して……、というとても「規則正しい生活」を送っています。とかく、「かくあらねばならない」と正解を求める傾向が強いのです。

そんな社員に対しては、「ご飯は週末に炊いて、小分けに分けて冷凍しましょう。そして、おかず類はスーパーで買ってきてもいいんです。あなたが無理ない範囲でできる家事があなたにとっての正解です」と伝えています。洗濯に関しても「毎日洗濯すると、水道代がもったいないです。容量の8割くらいまで洗い物が溜まったら洗濯しましょう」というように一定のルールを提案しています。

SNS「フォロワーチェックが終わるまで眠れない」

そして、このところ特に増えてきた悩み・相談はSNSについて。最近よくある当社での相談とその回答をご紹介します。くどいようですが、あくまでも当社でのお話です。

発達傾向の方によくある相談が「SNSを見ているとあっという間に夜中になってしまいます」というもの。ツイッター、フェイスブック、インスタグラム。この主だった3つのSNSの、興味がある人やイベントのすべてをフォローしていて、それを毎日すべてチェックするのが日々のルーティンになっている社員が何人かいます。ある社員に話を聞くと、各アカウントで100ずつフォローしていることも。それを全部見るまで眠らないって……。夜が明けそうです。
ときにはフォローしているものだけではなく、音楽や映画、料理等、自分の好きな分野でハッシュタグ検索して、納得がいくまで見続ける日もあるとか。

ルールを決めて守ってもらう

そこでインスタもフェイスブックもツイッターも、自分が大事だと思うもの、良く見るものから上位10個だけ平日に見て、残りは金曜と土曜に見ましょう、とアドバイスしています。「睡眠時間を確保しましょう」と言っても、その方法がなかなか分からないことがあります。
睡眠時間にフォーカスするならば「夜●時までに見終わる範囲でチェックしましょう」という言い方でもいいと思います。発達障害の方はルールを守ることがとても厳格というか、真面目です。双方合意のもと、ルールを作ると、しっかりと守ってくれる、そんな印象があります。

ちなみに、「インスタ映えする生活」に憧れというか、自分を比較して悲観して相談するケース、は意外とありません。それは発達障害の社員しかり、精神障害の社員しかりです。「いつもあんな生活をしているのではなく、あの一枚の写真を撮るために、相当の努力と苦労を重ねているみたいよ」と話すと、「でしょうねえ」とすんなり納得してくれます。「虚構」のようなものを冷静に見極めているのかもしれません。見習いたいものです。

次回は、当社の支援体制についてご紹介したいと思います。