人と比べなくていいよ、とは言わないようにしています

みなさん初めまして。パーソルチャレンジ、受託サービス事業部・人材支援グループで働く「田町のジョブコーチ」です。
受託サービス事業部とは、パーソルグループ各社から受託した事務業務(PCでの入力作業や封入封函などの軽作業、求人広告制作、人事や経理の事務業務等)を、主に障害がある社員が対応する部署です。人材支援グループとは、事業部のメンバーに対して研修を行ったり、勤怠安定のための定着支援を行ったりする部署。私は定着支援担当で、主に日々メンバーと面談を行っています。悩みを聞き、会社で対応できるもの、支援機関にお願いすること、通院を促すことなど「悩みの整理」を行っています。
当社で働く障害がある社員292名中、精神障害があるメンバーは179名(2018年10月時点)。半数以上が鬱、統合失調症、発達障害などの精神障害というのが当社の大きな特徴だと言えます。

外部の勉強会や、意見交換会に行くと「そんなに精神に障害がある社員が多くて大丈夫ですか?」「みんな休みが多くて仕事が回らないのでは?」「自分たちは精神障害に関する知識はほとんどないから雇用できない」……等々、精神に障害がある方の雇用に対して消極的な意見がちらほら。
当社ではこれまでの経験から、ちょっとした配慮があれば、一緒に働くことは可能だと考えています。そんな当社の日常風景や、メンバーの悩みにどのように対応してきたか等、これから紹介させていただきます。「精神障害者雇用における心配事」の解決に少しでもつながれば幸いです。

今回は、おそらく障害者雇用に関係するほとんどの方が思い当たる、ある風景をご紹介します。

「自分は劣っているかも…」周りと比べて感じる不安

毎月5名前後の入社者がいる当社。入社直後はみんなで当社の仕事に慣れていただくため、OJTで数種類の業務を学びます。そのOJT期間中によくある悩みや心配事。それが「他人との比較」。例えば「タイピングの速度がほかの人より遅い」「エクセルスキルが一番ない」「手順書の意味が分からず自分だけ何度も質問してしまう」そんな声が社員からよく出てきます。
周囲の同期社員と自分を比べ、できていないことに強い不安を感じ、「このままやっていけるのだろうか」と将来を心配し、帰宅後メンタルが不安定になり、翌日から遅刻・早退が始まってしまうことがあります。「同期と比べて自分は誰よりも作業が遅いんです。自分はここに入るのは間違っていたのかもしれません」と相談してくる社員に、私たち定着支援の担当はどんな返事をするのか。

悩みを受け取り、強みに気付いてもらう

「他人と比べても仕方ないです。あなたはあなたの良さがあるので、悩まなくても大丈夫!」なんてことは言いません。
逆に「それは比べちゃいますよねえ」「そうですかタイピングが遅いんですね。それは気になりますよねえ」とその悩みを受け取ります。人間だれしも他人と比較するもの。「比較するな」と言ってもそれは無理。精神障害の方は、自分に対して自信がなくなっているので、より比較しやすいし、どうしても自分の弱いところに目が向いて悩んでしまいます。
だからこそ、まずは悩みを受け取る。そのうえで「●●さんは確かにタイピングの練習はもっと必要かも。でも、あなたは接客経験があるから、人との接し方が上手い!質問のタイミングや表情などは誰よりも優れていますよ」と、その人の強みを改めてお伝えして、自信を取り戻してもらいます。精神障害の方たちはひとつの悩みから発展して、自分を全否定することがよくあります。全否定からメンタルダウン。その流れを止めるために、「強みに気づいてもらう」ということは有効的だと考えています。

では、本日のまとめです。
他者比較をしてしまうメンバーに対して、我々がやるべきことは「その人の悩みを受け入れ、その人の強みに気づいてもらうこと」。「他人と比べて悩むのはやめましょう」と言うのはやめましょう。障害者雇用で大事なのは、「強みを活かして働くこと」だと私たちは考えます。それぞれの「得意技」でお互いの弱みを補うことが何よりも大事なのです。悩める社員に自分の強みに気づいてもらって、強みを活かし、日々のやりがいを見つけ、成長してもらう。そんな会社を目指して、日々奮闘しています!
この奮闘の日々を少しずつ紹介できればと思っていますので、今後ともよろしくお願いします!

次回は「なぜか月曜日は欠勤者が多い問題」についてご紹介したいと思います。