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Neuro Diveスタッフ紹介
第4回:支援員 朴井明子

2021.09.14

2019年11月に開所した先端IT特化型就労移行支援事業所Neuro Dive(ニューロダイブ)秋葉原。2021年7月には2拠点目となる横浜が開設、それと同時にオンライン有料学習サービスNeuro Dive Onlineがサービス開始しました。今回は現場ではたらく講師や支援員について、Neuro Dive秋葉原で支援員として従事する、当社の朴井明子を紹介いたします。(※所属・役職は、取材当時の内容となります)

挫折を乗り越えて、人事部で培った経験をNeuro Diveで活かしたい

パーソルチャレンジ入社以前の経歴について教えてください

2019年11月Neuro Dive秋葉原開所の1か月前にパーソルチャレンジ株式会社に転職し、事業所の立ち上げ、ビジネススキル講座開発などから始め、現在は支援員として日々サービスの向上に務めています。

前職では大手製薬会社の人事部で約6年間、中途採用・障害者採用・定着支援のほか、制度や昇格・昇給・賞与、全社員管理まで幅広い業務に従事し、国家資格キャリアコンサルタントのほか、産業カウンセラーも取得しました。何千という応募書類審査、面接に立ち会い、選考合否判断にかかわったので、Neuro Dive利用者のみなさんへの就職サポートに活かしていきたいと思っています。

前職は障害者採用枠で入社されたと伺いました

私は左手に障害がありまして、身体障害者手帳3級を持っています。10代から20代にかけて3回手術をしています。術後、左全手指機能全廃となり、将来ダンサーか、振付家を目指していましたが、思うように動かない左手に絶望し、挫折を味わいました。やろうと思ってもできないこととの向き合い方や、できることを増やしていこうという気持ちの切り替え方については、Neuro Dive利用者の気持ちに寄り添える部分があるかもしれません。

前職に就く以前は、ダンスパフォーマー、手芸家として活動しながら派遣社員としてはたらいていました。転機となったのは、派遣契約終了となったタイミングです。これから、どうやって生きていこうかと、PCスクールでオフィススキルを学んだり、職業訓練校でWEBマーケティング、デザインスキルを習得するなど、色々もがいていた時に、その職業訓練校のキャリアアドバイザーから「4月から障害者雇用率が1.8%から2.0%へ切り替わるので、障害者雇用ではたらいてはどうか?」とお話をいただきました。それまでは障害者雇用というものがあることさえ知らなかったのですが、その後選考も順調に進み、前職の大手製薬会社へ障害者枠で就職が決まりました。

人事として全く実務経験がなかったので「期待に応えないと」というプレッシャーもありましたが、その後の頑張りが評価され、入社時は契約社員でしたが、1年後には正社員登用試験に合格し正社員になることができました。

強みは伸ばし、弱みはセルフコントロールできるように支援しています

支援員としてどのような業務に携わっているのか教えてください

「世の中ではどういったスキルが求められているか」を捉えて、ビジネススキル講座の企画提案から実施まで行っています。Neuro Diveではビジネススキル基礎、コミュニケーション、プレゼンテーション、自己分析、就職準備、これら5つの軸をもって企業に価値貢献していく人材育成を目指し、実務で役立つ講座を充実させています。Neuro Diveを利用している方の思考レベルの高さにあわせて、ベーシックなところは大事にしつつ、ビジネス目線で講座を作ることを意識しています。

就労移行支援でビジネススキルを学ぶことの意義とは何でしょうか

私は自己理解には他者がいて成立する部分が多いと思っています。就労移行支援という学習環境を活用すれば、定期的に支援員からポジティブ、ネガティブ、成長点、課題点といった客観的なフィードバックをもらえますし、他の利用者との関りによって自分を俯瞰して見る機会が増えますので自己理解が深まります。

Neuro Diveのビジネススキル講座での学習はワークを中心に行いますので、例えばグループディスカッションでは「自分はこういったところが上手くできる」といった発見があったり、他者と関わりながら一緒に学習することで多くの気づきが得られます。私たち支援員はそれら気づきを通じて、個々が持つ強みは伸ばし、弱みは克服するのではなく、セルフコントロールできるように、支援しています。

内定獲得がゴールではありません、大切なのはスキルを活かした就職後の活躍です

ビジネススキルの習得にはどれくらいの期間が必要なのでしょうか

個々の経験や状況にもよりますが、3~6か月は必要だと思います。まず、身に着けるためには習慣になっていくことが必要です。そのために、Neuro Diveでは各自ルーティンを自分で決め、それができたかどうか、毎日報告していただいています。人によっては毎朝カーテンを開けてベランダにでる、毎朝ITに関するニュースを読み簡潔にまとめる、今日のストレス度を10段階評価で報告するなど様々です。また3か月に1回、ルーティン報告会を実施しています。できなくても、途中で変えてしまっても、報告していただき、他者の内容や継続状況を聞いて、刺激を受け、また自身で取り組めるようにしています。そういった報告会では、他者に分かりやすく説明するプレゼンスキルも求めています。

就職後の活躍を実現するには、ビジネススキルが非常に重要なのですね

はい。大切なのは内定を獲得することでなく、その先のスキルを活かして活躍することです。そして、就職後の活躍にはビジネススキルが必須です。特に報連相、アサーション、アンガーマネジメントができないと、せっかく就職できても休職や退職に陥りかねません。企業側は、ビジネススキルがあって、そのうえで先端ITスキルを発揮してくれることを望んでいます。どれだけ先端ITスキルが高くても、ある一定のビジネススキルがないと厳しい評価になります。ある一定の、というのは「どうしてもできないこと」はあるからです。その場合は「できないことを知っている」「ここまでならできる」「こういった配慮があったらできる」と自身について伝えられるスキルを高めていきます。

ビジネススキル習得における“難しさ”とは何でしょうか

「分かっているけどできない」に集約されると思います。傾向としては、これまでの失敗や挫折によって「できる・できない」を「0か100」と極端に区別している方が多いと思います。できないものはできないと完全にシャットアウトしていたり、100できないと意味がない、価値がないと考えていたり、特性によるところも大きいですが「今、自分は0か100かの志向の癖に陥っている」と気づき、リフレーミングできるように伝えています。一番伝わるのは、企業実習参加者や内定者、就職で卒業していった元利用者からの生の声です。「ルーティンが身を助けた」「集中できないときや落ち込んだ時は、ひたすら手を動かした」といった経験談等、現場のリアル話を聞くことで、気付きを得て、自ら変化の一歩を踏み出すことがあります。こういった生の声を共有できる機会を積極的に設けています。

経験や特性にあわせて、一人ひとりにあった就職サポートと定着支援を

就職サポートについて教えてください

就職準備講座では企業研究、応募書類・志望動機作成、障害特性・配慮内容資料(ガイドブック)作成、模擬面接などを行い、個別面談による就職相談、求人情報の提供を実施しております。

例えば、就職活動を経験されたことがある方は積極的に求人情報を探されますが、活動経験のない未就労者の方は、在学中の就職活動がうまくいかなかったことから、その失敗体験が強く残ってしまい、うまく活動出来ない方もいます。人によって経験は様々なので、一人ひとりの方向性に合わせた就職サポートを行っています。支援員からも求人紹介や情報提供をしますが、基本的にご自身で情報収集することを勧めています。自ら情報をみて取捨選択することで、本当に自分が求めているものが明確になりますし、自覚的になります。障害者採用か一般採用かも、ご自身で決めていただきます。職種についても、データサイエンティスト、AI・機械学習エンジニア、デジタルマーケターといった先端IT職だけでなく、先端ITスキルを武器にしてオープンポジションにチャレンジする方もいます。自分のキャリアのオーナーは自分です。受け身で就職できても成功体験にはなっていきません。自分で選び、納得して決めたということが、のちの安定就労につながります。

定着支援とは具体的にどういった支援なのでしょうか

私たち支援員は就職した後も利用者の方と企業との間に入り、橋渡しをする役割を担います。入社後6か月は毎月定着支援面談を実施し、希望があれば入社後もコミュニケーションツールでストレス度を報告いただき、ご自身を客観視するルーティンを続けている方もいます。こういった定着支援のサポートを受けられることも就労移行支援を活用するメリットだと思います。

入社者に必要なことは「急がない」こと。企業側に必要なことは「急がない」「対話機会の創出」「適切な業務の量と質」です。この「急がない」は両者にとって最も大切です。障害の有無に関係なく、人は新しい生活、新しい会社、新しい仕事、新しい人間関係にストレスを感じます。喜ばしいライフイベントであっても、ストレスがかかるのは周知のことだと思いますが、最初が肝心です。

ハイポテンシャル層の障害者が活躍する社会の実現に向けて

今後のビジョンなどありましたら教えてください

数年後にはNeuro Diveの出身者が、社会や企業においてなくてはならない存在になっていると思います。利用者の皆さんは、向上心、学習意欲、成長意欲が高く、ポテンシャルも非常に高いです。利用日数や個人の能力にもよりますが、約3か月もすれば先端ITスキルの基礎を身につけられています。

企業側の考えも変わってきていることも実感しています。実際にNeuro Diveに見学にきていただいた企業の方や、就職先企業の担当者の方は、I先端ITスキルだけでなく、コミュニケーション能力や、自己理解度の高さに皆さん驚かれます。精神障害や発達障害の方に対するステレオタイプなイメージを払拭するためにも、今後は講座見学や成果物発表の機会等をより多く設けるようにしていきたいと思います。

引き続き利用者のみなさんには、その能力を発揮するために必要な情報と機会を提供していきます。企業側には、AI・機械学習、ビジュアライズ、デジタルマーケティング、業務効率化の人材といえば「Neuro Dive」と認知されるよう働きかけていきたいと思います。これまでの障害者雇用にありがちな職種・業務内容ではなく、各々が持つ能力を発揮し活躍することができる社会の実現、はたらく選択肢の拡大に向けて、尽力していきたいと思っております。

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