企業の声2障害学生が強みを発揮できる環境づくりを

CSP Internship（「はたらく体験プログラム」へ改称）は障害者雇用において、求職者と企業がそれぞれどう向き合うのかを問いかけてくれる非常にいい機会でした。 参加するまでは、発達障害のある学生、もしくはその傾向があるグレーゾーンの学生との接点がなかったため、彼らにどのような特性があるのかわからなかった、というのが正直ありました。
恐らく、多くの企業では障害がある学生の採用に際して、学生から社会人への大きな環境変化が生じることに起因して「安定的な就労ができないのではないか」とか、「体調を崩してしまう可能性があるのでは」といった考えが頭をよぎることが多分にあるのではないでしょうか。ですが、CSP Internshipを通じてわかったことは、受け入れる企業側が障害の特性を理解し、配慮することによって、彼らのパフォーマンスを十分に発揮させることが出来るということです。
発達障害のある学生の視点においては、その進路について、障害があることをオープンにしてはたらくということはどういったことなのか、その他にどういった選択肢があるのかわからない、といった方が大半だと思います。その結果、自分の障害特性や強みがわからないまま就職活動をしたが上手くいかない、仮に上手くいったとしても就職先ではたらき続けられなかった、といったような挫折を経て悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
CSPはそういった悩みを抱える学生の方々にとって「私はこういった強みをもっている」といったように、先ずは自分のことを知り、卒業後の進路を考えるきっかけになるものだと思います。

CSP Internshipの講座ではプロジェクトマネジメントの中の一つの要素として、スケジュール作成に挑戦していただきました。我々の業界の理解を深めていただきながら、様々な方法で集めた情報を一つに集約し、発表するまでの作業をチーム制で体験していただきましたが、各チームに一体感があり、成果物の完成度も高く、非常に驚きました。
今回準備した講座内容は新入社員研修用の講座を5日間に圧縮し、今回の講座用にアレンジしたものでしたので、講座全体として非常に難易度は高かったと思います。 単純な式だけで解決できるものではなく、複雑かつ自由度の高い方程式をいかに解くか、といった課題を皆さんにチャレンジしていただきましたが、限られた時間の中で多くの情報を集約し、自分の成果物として、他人に伝える難しさを体験いただけたのではないかと思います。
また、参加学生の皆さんはCSP 1day、CSP 3daysを通して自分のコミュニケーション上の課題や、苦手なところを意識されていて、克服しようとする気持ちをもって参加されているということが伝わってきました。 同じ悩みを持つ学生たちが集まり、「自分が苦手なことは何であるか」ということを周囲に共有したうえで参加する流れは、彼らにとっても非常によい体験であったと思います。私達にとっても、どうすれば彼らが挑戦しやすい環境をつくっていけるか、という視点で講座を進めていけたことは大きな学びとなりました。

今回、CSP Internshipに参加させていただいた理由は、パーソルチャレンジ様の理念に共感したからです。それは、「障害があっても彼らの特性や秀でた部分は社会においてニーズがある。彼らと企業の架け橋となることで、多様性を受け入れる社会を実現させていきたい」、というものです。
今後も発達障害のある学生の方にはCSPの各プログラムを通じて「自分は何が得意か」を発見して欲しいですし、企業側としては障害学生の特性を理解するだけでなく、彼らの秀でた部分や強みを発揮できるような環境を作っていきたいと考えています。コミュニケーション上の課題という観点では、様々な障害特性のある人達が集まっても、デジタル技術の活用や、相手への配慮によって苦手部分を補い合い、一つのチームとして成果を出せるような組織づくりに挑戦していきたいですね。
そうして積み重ねた成功事例を外部に発信することで世の中に刺激を与え、障害者雇用を社会全体で発展させていきたいと思っております。

※パーソルチャレンジ株式会社は、2023年4月1日付でパーソルサンクス株式会社と統合のうえ、「パーソルダイバース株式会社」となりました。
※CSP Internshipは「はたらく体験プログラム」へ改称しました。
※記事内ではインタビュー時の「パーソルチャレンジ」「CSP Internship」で記載しております。